中国メディア・東方網は1月11日、「どうして日本は、人気の出るスマートフォンを出せないのか」とする記事を掲載した。記事の作者は、日本におけるiPhoneの利用率が非常に高いことに驚きをもっているようだ。

 記事は、現在日本でよく売れるスマートフォンのブランドについて、アップル、ソニーシャープであると紹介する一方、アップルのiPhoneが約半数のシェアを持っているという状況にあることを指摘。「どうして日本のメーカーは、カメラや部品を作るのは得意なのに、iPhoneを凌ぐような端末を作れないのか」との疑問を提起した。

 そのうえで、「理由はとてもシンプルだ」として3つの点を挙げている。まずは「固執」というキーワードを示し、日本の製品はある部分についてとことん極致まで突き詰める傾向にあり、スマートフォン分野においても「ある道が正しいと思ったら、その道ばかりに固執するようになる」と説明。こだわりは固執に変わり、固執は消費者を遠ざけるとしている。

 次に掲げたのは品種の少なさだ。記事は、中国メーカーのスマホが現地で人気を集めている理由として「非常に多くのハードウェアが集まり、それぞれ異なる優位性を持っていること」を挙げ、日本の各ブランドが出す機種のバリエーションの少なさを指摘した。

 そして、最後は「位置づけ」とした。日本製スマホは位置づけが不明瞭であるとし、その点中国のブランドはローエンド、ミドルレンジ、ハイエンドそれぞれを明確に分けたうえで各製品を打ち出していると伝えた。

 中国の大手通信機器メーカー・ファーウェイの締め出しにかかっている米国に対し、中国国内での不満が高まった。その不満の矛先は、一部で米アップルのiPhoneにも向けられている。かつては日本同様、もしくはそれ以上に「アップル信者」が多かった中国だが、そのカリスマ性はすっかり弱まった感がある。その背景にあるのは、自国ブランドの急成長だ。

 ファーウェイシャオミOPPOなど多くの「中華スマホ」メーカーがしのぎを削る状況において、中国の人たちが「どうして日本ではわが国みたいに自国のスマホブランドが育たないのか」と首をかしげたとしても、無理のないことかもしれない。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)

どうして日本はまだこんなに「iPhone信者」がたくさんいるのか=中国メディア