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北朝鮮・中国・韓国が、次々にアメリカの強大な圧力に屈しています。既定路線の「非核化」へ動き出した金正恩氏と、急激に力を失っている習近平氏の動きを解説します。(江守哲の「ニュースの哲人」〜日本で報道されない本当の国際情勢と次のシナリオ

本記事は『江守哲の「ニュースの哲人」〜日本で報道されない本当の国際情勢と次のシナリオ2019年1月11日号の一部抜粋です。全文にご興味をお持ちの方はぜひこの機会に、今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:江守哲(えもり てつ)
エモリキャピタルマネジメント株式会社代表取締役慶應義塾大学商学部卒業。住友商事、英国住友商事(ロンドン駐在)、外資系企業、三井物産子会社、投資顧問などを経て会社設立。「日本で最初のコモディティ・ストラテジスト」。商社・外資系企業時代は30カ国を訪問し、ビジネスを展開。投資顧問でヘッジファンド運用を行ったあと、会社設立。現在は株式・為替・コモディティにて資金運用を行う一方、メルマガを通じた投資情報・運用戦略の発信、セミナー講師、テレビ出演、各種寄稿などを行っている。

勝敗は決したのか?米国はやがて、アジアへの関与を緩めていく…

韓国を巻き込んで動き出した金正恩

北朝鮮が動き出しました。

北朝鮮金正恩朝鮮労働党委員長は1日、「新年の辞」の演説を行い、トランプ大統領と「いつでも再び向き合う用意ができている」と表明し、再会談に意欲を示しました。

「完全な非核化」実現に向けた意志を重ねて強調しながらも、米国が制裁・圧力を続ければ、「新たな道」を模索せざるを得なくなると警告しました。

非核化の進展に応じた見返りを求める従来の主張を繰り返した格好で、近く開催が見込まれる2回目の米朝首脳会談を前に、非核化に対する「相応の措置」を取るよう、トランプ政権をけん制しました。

委員長は、「われわれは既に、これ以上核兵器を製造したり、試験したりせず、使用も移転もしないと内外に宣言し、さまざまな実践的措置を講じてきた」と主張しました。

また、朝鮮戦争の休戦体制を平和体制に転換するため、多国間交渉を積極的に推進する考えを表明し、中国もプロセスに関与させたい意向を示唆しました。

そのうえで、朝鮮半島の緊張の根源となっている米国などの外部勢力との合同軍事演習をこれ以上、許容してはならない」と韓国に要求し、戦略兵器などの搬入も中止するよう求めました。

これを受けて、韓国大統領府の金宜謙報道官は、「南北や米朝関係を進展させる考えが盛り込まれていた」とし、「朝鮮半島問題が順調に解決するよう、肯定的に作用することを期待する」と評価するコメントを発表しました。

韓国統一省報道官も新年の辞を歓迎する論評を発表し、「今後も南北間の和解と協力を進展させ、国際社会とも緊密に協力し、朝鮮半島の完全な非核化と強固な平和体制構築のため最善を尽くす」と強調しました。

まぁ、ここまでであれば、これまでのお決まりのコメントです。しかし、北朝鮮が以前は米国批判のみの発言しかしていなかったことから見れば、方針は完全に転換しているのがわかります

米国の圧力はそれだけ強かったわけです。

シナリオ通り?「非核化」へ向けたお芝居

結論から言えば、このメルマガでも何度も解説しているように、昨年6月の米朝首脳会談の前に、非核化は既定路線として決まっていました。

ですので、いま行われている様々な発言や行動は、いわゆるシナリオの下で動いている芝居に近いといっても良いでしょう。

一応、手順を踏まないといけませんし、短期間で解決してしまえば、いわゆる「ネタ」として使うことができなくなりますので、ゆっくりとやるわけです。

一方、トランプ大統領は2日、金委員長から書簡を受け取ったとし、「さほど遠くない将来に首脳会談を開催することを想定している」としました。

また、金委員長からの書簡について「素晴らしい」と評価したものの、詳細は明かしませんでした。

まぁ、あまり中身はないでしょう。まだまだポーズの段階です。

韓国は米朝首脳会談の道筋をつけたこともあり、南北の関係改善が進むことで、平和的共存に向けて両国が独自の道を切り開こうとするでしょう。

しかし、一方でトランプ大統領は独自の方針で北朝鮮の非核化に挑んでいます。その裏には、アジアからの撤退の可能性も視野に入れている可能性があります。

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