白いナンバープレートを付けた軽自動車が急増中です。2019年のラグビーワールドカップ、2020年の「東京オリンピックパラリンピック」に向けた特別仕様ナンバープレートの一種ですが、それら全体の交付件数を「軽の白ナンバー」が底上げしています。

登場から1年9か月、いまや77万台が「白ナンバー」

乗用車ナンバープレートは通常、黄色地のものですが、現在、白いナンバーをつけたクルマが急増しています。

この「白い軽ナンバー」は、「ラグビーワールドカップ2019特別仕様ナンバープレート」もしくは「東京2020オリンピックパラリンピック競技大会特別仕様ナンバープレート」の一種。前者は2017年4月、後者は同年9月から交付されました。それぞれのナンバーには、白地のプレートに大きく図柄が入ったものと、図柄なしで右上に小さく大会のエンブレムが入ったものがあります。交付の対象車種とナンバーの種類は次のとおりです。

・自家用登録車(軽自動車を超える規格のクルマ)の「図柄あり」ナンバー
・自家用登録車の「図柄なし」ナンバー
・事業用登録車の「図柄あり」ナンバー
・事業用登録車の「図柄なし」ナンバー
・自家用軽自動車の「図柄あり」ナンバー
・自家用軽自動車の「図柄なし」ナンバー

「軽の白ナンバー」とは、このうち自家用軽自動車の「図柄なし」ナンバーのことで、6つの区分があるなか、申し込みが集中しています。国土交通省自動車情報課によると、2018年12月末現在の交付件数は次のとおりです。

ラグビーナンバー
・総交付件数:26万1434件
・うち自家用軽自動車の「図柄なし」交付件数:19万2124件(全体の約73%)

オリンピックナンバー
・総交付件数:75万6678件
・うち自家用軽自動車の「図柄なし」交付件数:58万5168件(全体の約77%)

それぞれの軽自動車用「図柄なし」の合計交付件数は77万7292件。これは、2017年度における軽乗用車の新車販売台数(1454039台)の半数以上、日本の軽乗用車保有台数の約3.5%に相当します。

「図柄あり」ナンバーは申し込み時、所定の交付手数料とは別に1000円以上、それぞれの大会を支援するための寄付が必要になるのですが、「図柄なし」は寄付金なしで取得可能。それを差し置いても、申し込みが軽自動車の「図柄なし」ナンバーに大きく偏っていると、国土交通省自動車情報課は話します。

黄色ナンバーは不評だった?

軽自動車用の「図柄なし」ナンバーに申し込みが偏る傾向は、ラグビーナンバーの交付開始当初から続いています。黄色のナンバーには以前から、目立ちすぎてボディーの色に合わせづらい、といった声があり、国土交通省自動車情報課も以前の取材時、「報道でもいわれていますが、黄色ナンバーを好ましく思っていない人もいるのでしょう」と話していました。

関東で軽自動車専門店を展開するケイ・ドリーム神奈川県相模原市)によると、顧客のなかでも軽自動車で白ナンバーを希望する人は多いとのこと。「『次に乗るクルマは絶対白ナンバーにする!』とおっしゃる方も少なくありません」といいます。

「ボディーの色とのバランスを見て判断される方、あるいは『記念だから』ということで選ばれる方が多いです。ナンバーの大きな4桁数字をお客様が任意に選ぶ『希望ナンバー』を望まれる場合に、『白にもできますよ』と提案し、『じゃあ』となるケースもあります」(ケイ・ドリーム

同社から提案して初めてナンバーを「白」にできると知る人もいるようです。一方、いま黄色のナンバーを付けていて、クルマの買い替えを待たずにそれを「白にしたい」という人も、少ないながら存在するとのこと。

ラグビーナンバーは2020年1月、オリンピックナンバーは同年11月までの期間限定で交付されます。国土交通省自動車情報課によると現在のところ、このような特別仕様のナンバープレートを新たに設ける計画はないそうです。

ちなみに、2018年10月からは、その地方にまつわる図柄をナンバープレートにプリントした「地方版図柄入りナンバープレート」の交付が41地域において始まりました。こちらは軽自動車用のものには、黄色い縁取りが施されます。

国土交通省自動車情報課によると、「地方版図柄入りナンバー」の申し込み件数は2018年12月末現在で4万7294件、うち軽自動車用は2万1344件。ラグビーナンバーやオリンピックナンバーのような軽自動車用への偏りは見られないそうです。

【画像】軽自動車用は黄色い縁取り「地方版図柄入りナンバー」

「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会特別仕様ナンバープレート」のうち、「図柄なし」のナンバーを付けた軽自動車(2019年1月、中島洋平撮影)。