オマーン戦で大迫に代わり北川を抜擢も不発、長友が「まだ遠慮している」

 日本代表は13日のアジアカップ・グループリーグ第2戦オマーン戦で1-0と勝利し、2連勝で決勝トーナメント進出を決めた。初戦のトルクメニスタン戦(3-2)に続く辛勝となったなか、DF長友佑都は若手が「生き生きプレーできていない」と指摘。その一因として「僕らベテランの責任」と語っている。

 初戦のトルクメニスタン戦では先制される苦しい展開のなか、後半にエースFW大迫勇也ブレーメン)の連続ゴールで逆転。MF堂安律フローニンゲン)の追加点で一度は3-1とリードを広げるも、終盤にPKを決められて3-2で辛うじて逃げ切った。

 続くオマーン戦も接戦となる。前半28分、MF原口元気ハノーファー)がPKを沈めて先制した一方、前半終了間際にDF長友佑都ガラタサライ)がエリア内で相手のシュートを左手に当ててしまう。長友も「VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)があればハンドの可能性が高かった」と振り返る大ピンチだったが、CK判定で事なきを得た。後半は思うようにチャンスを作れず、そのまま1-0で終えている。

 オマーン戦ではエースFW大迫が右でん部の違和感で出場回避。「僕らの大黒柱で、将棋なら飛車や角のレベルの選手」(長友)という存在を欠くなか、22歳のFW北川航也(清水エスパルス)が先発に抜擢されるも存在感を示せず、23歳のMF南野拓実ザルツブルク)も再三の決定機を逃し続けた。長友は北川ら若手が十分に輝けない原因について持論を展開している。

「大迫の代わりではなく、俺がチームを変えるというくらいの気持ちがほしい。(北川は)まだ遠慮してますよね。若くて経験がない分、自分を出し切れていない、遠慮しているところがある」

なぜ若手は十分なパフォーマンスを発揮できないのか――「ベテランの責任」を示唆

 では、なぜ若手が十分なパフォーマンスを発揮できていないのか。長友はその原因をさらに掘り下げ、ベテラン勢がその土壌を作り出せていない可能性を示している。

「僕らベテランが、どういう雰囲気やモチベーションを作れるかが大事。若手が生き生きプレーできていないのは、ベテランの僕らの責任でもある」

 自戒の念を込めながら語った長友は、第2戦のパフォーマンスに一定の感触を得ながらも、正直な思いを吐露している。

「初戦は正直、みんな硬くなって、あんなもんかなと思ったけど、今日はもう少し高いレベルでやりたかった。攻撃のバリエーションが良いレベルでできたのは間違いないけど、終わってみればPKの1点だけというのは物足りない」

 日本が2011年大会以来の優勝を目指すなか、若手の活躍は不可欠な要素となる。17日の第3戦ウズベキスタン戦で若手の躍動する姿が見られるか。ベテラン勢のサポートも大きなポイントになりそうだ。(Football ZONE web編集部・大木 勇 / Isamu Oki)

日本代表DF長友【写真:AP】