マームとジプシーの藤田貴大による新作舞台『CITY』が2019年5月18日(土)~26日(日)まで彩の国さいたま芸術劇場で上演される(地方公演あり)。主演は5年ぶりの舞台主演となる柳楽優弥。そして井之脇海、宮沢氷魚、青柳いづみなど、次世代を担う若手俳優が競演する。また、衣装デザインはファッションデザイナーの森永邦彦(アンリアレイジ)が担当と、自身初となる舞台衣装のデザインに挑む。

2017年からの2年間で23作品を発表、2018年11月には初のパリ公演を成功させるなど、驚異的な質と量で現代演劇を更新し続ける藤田。「新たなフェーズ」と位置付ける本作は、故郷や子ども時代、架空の異国の町という題材から一転、現代の都市を舞台に描く。モチーフは「ヒーロー」。正義とは何か? 悪とは何か? 多様な価値観が共存する現代社会での善と悪の相克を描く、藤田の渾身の作品となっている。 

2015年の出会いから3年を経て実現した藤田×柳楽の初顔合わせ。柳楽が演じるのは、正義のためには暴力的な制裁も厭わない主人公。善悪の狭間に生きる闇のヒーローを演じる。ヒーローと対峙するヴィラン(敵)を演じるのは井之脇海。好青年然としたイメージを覆す、街を背後で支配する悪人という新境地に挑む。主人公を支える協力者を演じるのは宮沢氷魚。 藤田作品『BOAT』(2018)で初舞台を踏んで以来、早くも3度目の舞台出演となる宮沢。物語の鍵を握る存在を担う。 

そして衣装デザインを担当するのは、 斬新な発想で唯一無二の存在感を放つ森永邦彦(アンリアレイジ)。 日常と非日常、光と闇など、ブランドコンセプトに共感する藤田のたっての希望で実現したコラボレーションに注目だ。

<あらすじ>
現代の都市。事故で死んだ妹(青柳いづみ)の死を不審に思った兄(柳楽優弥)は、孤児としてともに育った青年(宮沢氷魚)の助力を得ながら、妹の死の真相を追っていた。猟奇的な連続殺人犯(内田健司)など、都市の暗部に否応なく触れることになった兄は、いつしか町を守る存在として悪と対峙するようになって行く。やがて妹の死から端を発した出来事が都市を脅かす一大事件へと発展する頃、兄は事件の背後にいるひとりの男(井之脇海)に辿り着く。