耳掃除をなかなかさせてくれない5歳児について相談がありました。耳垢がたまると耳の病気になるのか、耳鼻科で耳掃除をしてもらえるのか、といった質問に対し、専門家は何と答えているでしょうか。



5歳児のママからの相談:「耳の病気」


子どもが、耳掃除を嫌がるのでなかなかできません。ときどき寝ているときを見計らって掃除をするのですが、取り切れません。耳垢がたまると、何か耳の病気になったりしますか。耳垢がたまることをなくすにはどうすればよいのでしょうか。以前、耳鼻科に行ったときに、綿棒で毎日掃除する習慣をつけるようにと言われましたが、毎日は難しいのと、綿棒ではあまり取れている感じがしません。一度、耳鼻科で綺麗に掃除してもらうことはできるのでしょうか。(40代・女性)




無理強いする必要はない

耳掃除は月に1~2度でよく、無理強いする必要はないというアドバイスがありました。便利な道具を活用するのもよいようです。




『耳には自浄作用があり、奥にたまった耳垢を自然に外に押し出す力があります。そのため、耳の奥にたまった耳垢を無理に取り出そうとする必要はなく、無理をするとかえって外耳や鼓膜を傷つけてしまう可能性があります。また、本人が抵抗したり寝返りするなど、耳垢を取っているときに動いてしまうと耳を傷つけてしまう危険性があるので、無理強いしたり寝ている時にする必要まではありません。(看護師)』





『耳垢には古くなった皮膚やほこりなども含まれていますが、雑菌の繁殖を防ぐ成分も含まれており、鼓膜を乾燥から守る役割もあると考えられています。よって耳垢を完全に取り除くことはむしろよくないことだと言えます。また、綿棒を使って奥の方まできれいにしようとすると、かえって耳垢を奥に押し込んでしまうこともあるので注意が必要です。(産婦人科看護師)』





『耳垢は毎日除去する必要はないとされており、月に1~2度、お風呂上がりに綿棒などで見えるところまでの耳垢を取ってあげる程度でよいでしょう。最近では、耳垢を低圧で吸い取る吸引機も販売されていますし、半年に一度耳鼻科で耳垢除去をしてもらう方法もあります。(看護師)』





『一度耳掃除が嫌な理由を聞いてみてはいかがでしょうか。綿棒で問題なく耳掃除ができるようでしたら、それだけでも続ければ耳が綺麗になります。ベビー用の細い綿棒を使う手もあります。必ずしも大人が使う耳かきでなくても大丈夫です。らせん状で耳垢が取れやすい耳かきも販売されています。お子さんが、嫌がらずにできる耳掃除の方法をいろいろ試してみると良いのかもしれません。(看護師)』




特徴ある耳垢の場合は注意が必要

耳を塞ぎやすいタイプの耳垢の場合は、こまめな耳掃除が必要であるようです。具体的にどうケアすればよいか、耳鼻科で教えてもらうことが勧められています。




『以前耳鼻科で、綿棒で毎日掃除するように言われたとのことですが、耳の形や耳垢に特徴があるといったことは言われたでしょうか。(産婦人科看護師)』





『耳垢のタイプによって、耳の中に張り付きやすかったり、しっとりとしてまとまってしまったりするようなものであれば、耳垢が耳を塞いでしまうことがあるのでこまめに耳掃除を必要とする場合があります。耳垢が溜まり、耳を塞いでしまうと、水分も耳の中に溜まりこんで出にくくなり、雑菌が繁殖してしまいます。(産婦人科看護師)』





『耳鼻科で耳掃除をしてもらうことは可能です。一度耳鼻科を受診して耳掃除をしてもらい、家での耳掃除の仕方や定期的に耳鼻科での耳掃除が必要かなども確認してみてください。 (産婦人科看護師)』




耳掃除は、無理に毎日する必要はなく、月に1~2回見える範囲の掃除で十分だとアドバイスがありました。最近は便利な道具がいろいろあるため、嫌がらずに耳掃除できる方法を探してみるとよいようです。特徴のある耳垢で、こまめな掃除が必要な場合は、耳鼻科で耳掃除をしてもらうとともに、専門家の指導を仰ぐことが勧められています。



参考資料:
ベネッセ 教育情報サイト「子どもの耳掃除は必要? 耳のケアはどうすればいい?
・eo健康「突発性難聴とは



耳掃除を嫌がる子ども、耳垢がたまると耳の病気になる?