宮藤官九郎が脚本を務める大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」(毎週日曜夜8:00-8:45ほか、NHK総合ほか)は1月13日、第2回「坊ちゃん」が放送された。綾瀬はるか演じるスヤの”はいからさん”ぶりが「かわいい!」と話題になった第2回だが、脚本の巧みさでも、早くも視聴者の心をとらえている。

【写真を見る】リアル”はいからさん”綾瀬はるかと四三(中村勘九郎)のかわいすぎるオフショット!(等、第2話名シーンなど26枚)

いだてん―」は、オリンピックが題材。1912年に日本で初めてオリンピックに参加した金栗四三(中村勘九郎)がドラマ前半、1964年東京オリンピックを実現させた田畑政治(阿部サダヲ)が後半の主人公を務め、日本とオリンピックの知られざる歴史を描いていく。

綾瀬はるかの初登場シーンが話題

第2回では、四三の幼なじみ・春野スヤ(綾瀬)が登場した。女学校の制服姿で髪にリボンを飾り、歌いながら自転車で坂を下る初登場シーンで綾瀬の魅力が炸裂!視聴者から「抜群にかわいい」「圧倒的ヒロイン力!」といった声が上がった。

このシーンで、太陽のようにほがらかに「会いたかばーってん 会われんたい たーった一目で…」と”自転車節”を歌ったスヤ。そこに、どんよりとした表情の四三が「落ちました…」とセリフをかぶせるくだりが注目を集めた。

このとき、四三は家族の期待を背負って受験した海軍兵学校が不合格になったばかり。「落ちました」は不合格を指したものだが、自転車節からの流れで”試験に落ちた”と”恋に落ちた”のダブルミーニングと受け取った視聴者が多かったよう。SNSでは「たった一目で落ちましたって!!」「『恋に落ちました』かと思った」「宮藤官九郎脚本だと思うと深読みしてしまう…(笑)」といった声でにぎわった。

■ 「隈取メークで初登場」シーンに仕掛けられていた”伏線”

脚本の巧みさが注目を集めた場面はほかにもあった。

第2回序盤、幼少期の四三(久野倫太郎くん)と体が弱かった父・信彦(田口トモロヲ)のエピソード。嘉納治五郎が第五高等中学の校長に就任し熊本に来たと聞いた信彦は、「嘉納先生にだっこしてもらえたら丈夫な子に育つ」という噂を信じ、四三を連れて40キロ離れた熊本へと出かけた。

しかし、だっこはかなわず。信彦は「四三は治五郎先生にだっこしてもらった」と家族に嘘をついたまま、息を引き取った。

このシーンが放送されると、視聴者からは感嘆の声が上がった。6日に放送された「いだてん―」第1回のラストシーン、日本人初のオリンピック選手を見つけるため開催された“未曾有の大運動会”で、ゴールに飛び込んだ四三を抱きとめた人物こそ嘉納治五郎その人だったのだ。

第1回放送時、勘九郎が歌舞伎の隈取のように顔を赤く染めていたことでも大きく話題になったこのシーンが再び注目を浴び、SNSなどでは「四三が初回のマラソンで嘉納先生に抱き留められたのは、父の願いが叶った瞬間だったんだ」「さすが宮藤官九郎、うまいな!」「2回目にして早くも脚本のマジックに魅了」といった反響の声で沸いた。

ほかにも、2018年大河ドラマ「西郷どん」を彷彿させる西南戦争の激戦地・田原坂が登場したり、”スッスッハッハッ”という呼吸でラクに走れると気づき、人生に“光”が差した四三がトンネルを抜けて“光の中”へ飛び出していく描写があったりと、”宮藤官九郎ならでは”の遊び心とウイットに富んだ展開が話題を呼んだ第2回。

20日は第3回「冒険世界」を放送する。四三は東京高等師範学校に進学する。家族の期待を一身に背負って上京した四三だったが、寮生活になじめない。そのうえ夏休みの帰省では、スヤ(綾瀬はるか)の見合いがあると聞かされる。傷心で東京に戻った四三は偶然、三島弥彦(生田斗真)ら天狗倶楽部による奇妙な運動会を目にする。マラソンとの運命の出会いだった――。(ザテレビジョン

金栗四三の生涯を描く前半パート。クドカン脚本の妙に視聴者感嘆!