コードギアス 反逆のルルーシュ』などを手がけてきた谷口悟朗による新作アニメrevisions リヴィジョンズ』のTV放送が、1月からスタートした。「青春“災害”群像劇ジュヴナイルパニックアンサンブル)」と銘打たれた本作の舞台は300年以上先の未来に街ごと転送された渋谷。機械の化け物が蔓延る世界で、高校生5人が人形兵器「ストリング・パペット」に搭乗し、現在に戻るためにサバイバルする。そんな本作について語ってもらうのは、高校生たち5人を導く未来人エージェント・ミロを演じる小松未可子。彼女が『revisions リヴィジョンズ』を「SF大介アンサンブル」と評するほどのインパクトを持つ主人公・堂嶋大介の新感覚の魅力とは。

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――アフレコにあたって、谷口監督とはどんなやり取りがありましたか?

小松未可子 以前、谷口監督にお世話になった作品では、男の子を演じていたんです。だから『revisions リヴィジョンズ』で私が強い女キャラクターを演じることに対して、監督は「大丈夫だろうか?」と感じていらっしゃったようで(笑)

――以前演じられた男キャラクターというと『純潔のマリア』のプリアポスですか?

小松 はい、インキュバスの少年でした。だから今回は監督の中にある私のイメージを覆そうと思ってアフレコに臨みました。ただ役者としては入りやすい現場でした。多くの作品はアフレコ初日に初めてみんなで集まって、どういう作品で、どういうキャラクターかという説明がありますが、本作の場合は事前に監督から「この作品はこういうものを目指していて、こう展開していく。このキャラクターはこうで……」という細かな説明があり、イメージのすり合わせができていたので。

――ミロがどんなキャラクターか、演じられる際に気をつけたことと合わせて教えてください。

小松 ミロは300年以上先の未来で人類を守るために戦う組織のエージェントで、過去に(堂嶋)大介たちメインキャラクターの5人が出会っていたにも関わらず、未来で再会したときはその過去の記憶がないという謎を持った女性です。彼女は感情表現が乏しいですが、決して感情がないというわけではなく、ふと漏れる瞬間があって。そのさりげなさが難しかったです。また過去に大介たちと出会ったときと未来で再会したときは印象を変えてほしいというディレクションがあったので、その違いは明確にわかるようお芝居をしました。

――ミロはクールお姉さんタイプですが、どんなふうに演技付けしましたか?

小松 私はキャラ付けをするとき、自分をベースに足したり引いたりしていくんですけど、ミロは私の中にない要素ばかりなので、自分からだいぶ削っていってミロを作っていきましたね。

――大介たち5人とミロは、同じメインキャラクターではあるものの立ち位置が違いますよね。

小松 はい。大介たちは高校2年生でミロはそんなに年齢は離れていませんが、育った環境が全然違うし彼らとは心の距離がある。そこがストーリー中でも大事になる部分なので、意識しながら演じました。

――主人公の大介について伺います。過去に会ったミロの言葉を信じ、ひとり危機に備え続けてクラスでも痛い存在として浮いている。そんなキャラクター像を、谷口監督は内山昂輝さんの声をイメージして作ったと仰っていました。

小松 これまで内山くんとは何度か共演してきましたが、変わったキャラクターばかりの中で唯一まともだとか、影を感じるキャラクターが多くて、大介みたいなキャラクターはいませんでした。それでも大介の声として内山くんはぴったりだなと思います。内山くん自身も若干ひねた部分がありますし(笑)

――アフレコでは掛け合いすることも多いと思いますが……。

小松 大介のキャラクターが面白すぎるので、できるだけ内山くんを見ないようにしていました(笑)。第1話のアフレコで内山くんも「もっとやっていい」とディレクションされていましたが、大介ってやはり他のキャラクターと少し違うんですよ。ミロとしてはそんな彼の変わったところに動揺してはいけないし、彼らをコントロールしなければいけない立場なので。きっと、その振る舞いの根底には慈悲深さみたいなものがあると思うんですけどね。

――大介は未来の世界で力を手に入れたことによって、すごく調子に乗りますよね。ミロに対してアピールしているようにも映りますが、ミロはどんな感情で受け止めているのでしょうか?

小松 そこはスルーですね(笑)アピールされていると感じても、未来世界はそんなことに構っている場合ではないので。

――ただ厨二病な少年だったら、きれいなお姉さんがいきなり現れて思わせぶりなことをしてくれたら、その後はいいところを見せたがるのもわかる気がします。

小松 しかも大介にとっては、自分の心の支えとなった言葉を発した張本人ですからね(笑)。本当に彼は愛すべきキャラクターですよ。

――その大介たちは人形兵器「ストリング・パペット」に乗って機械の化け物と戦います。小松さんはこれまで様々なロボットアニメに出演されていますが、今回のものにはどんな印象がありますか?

小松 普通、ロボットものって内部のコックピットに入って操縦することが多いと思うんですが、「ストリング・パペット」は生身の延長というか、人間がひと回り大きくなって戦っているなと感じます。その点が従来のロボットものに出てくるものとは大きな違いです。あれ、乗っている側はかなり無防備なんじゃないかな……危機感やスリルは高いと思います。

――同じ谷口監督の『コードギアスシリーズに登場するロボットもほとんどが全高5メートル程度と比較的小型ではありますが……。

小松 「ストリング・パペット」はそんなに大きくなく、機敏に動くイメージです。

――ありがとうございます。それではミロと大介以外に、気になるキャラクターは?

小松 ネタバレしないように語るのが難しいですが、印象的だったのは剴(ガイ)です。彼は妹の露(ルウ)の双子の兄で、学校でもヒエラルキーは上の方でみんなから頼りにされている。かっこいいし文武両道だし、大介とは対照的な存在です。でも心も対になっていて、災害に直面した際に最初に人を助けるために動くようなガイが、時間を経るごとに変わっていってしまう。その変化がとても人間らしいと感じました。

――メインキャラクター以外ではいかがでしょう?

小松 区長の牟田誠一郎はとんでもなくゲスいですね。リアル渋谷区長はまったくそんなことないんですが(笑)。一方の警察署長の黒岩亮平は絶対的な善というか、まさに人間の鑑。彼みたいな方がなるべくして署長になるんでしょうね。ここも対照的なふたりです。ほかにも女性警官の泉海(香苗)さんとか善側のキャラクターが多いですが、人間はどこかで絶対に汚い部分もあると思うんです。そういった部分も惜しまず出てくるので、どのキャラクターも魅力的だと思います。

――4話まで拝見した限り、個人的には大介の叔父・堂嶋幹夫が面白かったです。意外にドライですよね。

小松 たしかに大介への関わり方が少し不思議な感じですね。まったく愛情がないわけでもないけど、あくまで叔父の距離感。ただ未来の世界における大介の唯一の身内なので、保護者ではないですが熱い気持ちが感じられることもありますよ。ちなみに演じるのが櫻井孝宏さんなので「悪いやつじゃないか」「裏切るんじゃないか」と思われる方もいるかもしれませんね(笑)

――すでにアフレコは終了したと伺いましたが、振り返ってどんな現場でしたか?

小松 メインキャラクター6人の役者の年齢が近いですし、事前のレクチャーでそれぞれがどんなキャラクターなのか把握できていました。個々に共演したことのあるメンバーだったので、そういう意味でも芝居の掛け合いの予想がしやすく、すごくバランスの取れた6人だったと思います。

――現場のムードメーカーは?

小松 ひと際賑やかだったのは日笠(陽子)さん(笑)。でも誰かひとりが中心ということはなく、みんなで話す空気感がある現場でしたね。

――それくらい仲が良さそうなアフレコ現場なら、いきなり300年以上未来に転送されても大丈夫そうですね。

小松 いやいや、300年後に跳ばされたら大変なことになりますよ。想像できないですが、櫻井さんが意外と引っ張ってくれそうかな。

――最後に、本作はオリジナル作品なうえにいろんな要素が詰まっているので、わかりづらさを感じている方もいるかもしれません。小松さんが読者に向けて、本作の魅力が伝わるようなジャンル名を付けていただけないでしょうか。

小松 この手元の資料に書かれている「青春“災害”群像劇ジュヴナイルパニックアンサンブル)」は超えられないです(笑)アンサンブルなんて単語はなかなか出てこない。でも私なりにキャッチコピーを考えるなら「未来を信じるか、大介を信じるか」でしょうか。絶対に大介は入れたいです。彼を中心にした物語なので……「SF大介アンサンブル」でどうでしょう。とにかくすごいキャラクターなのでぜひ観てほしいです。

Interview & Text By はるのおと
Photography by 小賀康子



●作品情報
TVアニメrevisions リヴィジョンズ
フジテレビ「+Ultra」にて放送中
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毎週水曜日24:55から放送開始
NETFLIXにて日本先行全話一斉配信

ほか、関西テレビ東海テレビテレビ西日本北海道文化放送BSフジにて

スタッフ
原作 S・F・S
監督 谷口悟朗
CG監督 平川孝充
シリーズ構成 深見真/橋本太知
キャラクターデザイン原案 近岡直
メカデザイン 新井陽平
CGキャラクターデザイン 白井順
BGコンセプトアーティスト 白田真人
MattePaintディレクター 大西穣
美術・設定 坂本竜
色彩設計 長尾朱美
撮影監督 高橋和彦
編集 齋藤朱里
音響監督 明田川仁
音楽 菊地梓
企画 スロウカーブ
アニメーション制作 白組
制作 リヴィジョン製作委員会
オープニングテーマ THE ORAL CIGARETTES「ワガママで誤魔化さないで」(A-Sketch
エンディングテーマ WEAVER「カーテンコール」A-Sketch

キャスト
堂嶋大介 内山昂輝
ミロ 小松未可子
剴・シュタイナー 島崎信長
露・シュタイナー 高橋李依
手真輪愛鈴 石見舞菜香
浅野慶作 斉藤壮馬
チハル・イスルギ 日笠陽子
キュー・イスルギ 田村ゆかり
堂嶋幹夫 櫻井孝宏
矢沢悠美子 遠藤 綾
黒岩亮平 てらそままさき
牟田誠一郎 飛田展男
泉海香苗 寺崎裕香
ニコラス・サトウ 大塚芳忠

(C)リヴィジョン製作委員会

関連リンク
TVアニメrevisions リヴィジョンズ』公式サイト
リスアニ!

掲載:M-ON! Press