日本でも昨年、人気グループのメンバーが酒がらみの不祥事で芸能ニュースを大いに騒がせたが、韓国でも芸能人が酒によって不祥事を起こすことが多い。それは、飲酒運転だったり、不道徳な行為だったり……。

これだけネット社会となって、ファンが芸能人を見る目が厳しくなっているのに、なぜそういった不祥事が起きるのだろうか。その原因を考えてみたい。

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まず1つは、所属事務所の管理が甘いという問題がある。

韓国の芸能事務所の場合、所属する芸能人を管理しているのは主にマネージャーだ。

マネージャーは単なる付き人ではなく、全面的に芸能人のスケジュールを管理したり、仕事の決定をしたりしている。

そういう意味では、マネージャーが所属事務所の社長も反対できないほどの権限を持っていることも多い。芸能人との関係は本当に密なのだ。

このように、韓国の芸能人はマネージャー次第でいかようにもなるので、会社としての組織的な管理ができないという問題がある。

特に家族意識が強い韓国では、芸能人の身内が所属事務所を仕切っていたりする場合も多い。そうなると、さらに管理が甘くなってしまい、酒にまつわるトラブルが起きてしまいがちだ。

それを防ぐためにも、所属事務所の組織的な管理という面にもっと目を向けなければならないだろう。

日本と異なる飲み方。お酒のつぎ足しがNGなワケ

もう1つの問題は、アルコール度数が強い酒を好む生活習慣だ。

韓国で一番飲まれている酒は焼酎だが、アルコール度数が20度前後の酒をストレートで飲むのが一般的だ。

しかも、会食を好む韓国人は、グループで酒席を賑やかにする。その際、同席者に酒を勧められたときは、カップの酒をすべて飲み干して相手からの酒を受けるという習慣がある。つまり、つぎ足しはしないのだ。


(写真提供=シン・ホジュン



なぜならば、法事のときに死者に対して酒をつぎ足すという儀式があるので、生きている人たちはつぎ足しを好まない。そういうこともあって、基本的にグラスを飲み干して新たに勧められた杯を受ける。

しかも、度数が高い焼酎をストレートで飲んでいる。これだと、酔いが早くなる。

さらに、収入が上がった人たちは高価なウイスキーを好む傾向があり、この場合もストレートかオン・ザ・ロックで飲む。

日本のように、水や炭酸で割ったりしない。

わかりやすくいえば、度数が高い酒を会食の場で勧められるままに飲み続けていくので、どうしても泥酔する人が多くなってしまう。

しかも、韓国社会は酔っぱらいを甘やかす風潮も残っていて、図に乗ってさらに酔って不祥事を招いてしまう。

そして、ネット社会の特徴で、醜態がまたたくまに拡散する。

芸能人として模範となる立場になった以上は、いくら酒が好きでも自分を厳しく律していかなければならない。

そうでないと、酒による不祥事はなくならない。

(文=S-KOREA編集部)

(写真提供=シン・ホジュン)