ドラマ『スキャンダル専門弁護士 QUEEN』(フジテレビ系/毎週木曜22時)で、法律事務所の一翼を担う謎多き事務員・真野聖子を演じている女優の斉藤由貴。本作を皮切りに、今年も映画『フォルトゥナの瞳』『空母いぶき』など話題作が続々と公開されるが、今なお女優業にまい進し続ける彼女を駆り立てるモチベーションとはいったい何なのか?

【写真】斉藤由貴 インタビューフォト集

 「人間の本音に肉迫する、これまでにないチャレンジングな展開にワクワクしている」と目を輝かせる斉藤。パワハラ、セクハラ、名誉毀損、損害賠償など、社会的スキャンダルの裏側を主戦場とする異色の弁護士“スピン・ドクター”の活躍を描く竹内結子主演の本ドラマで、斉藤はハッキングから体を張った現場調査までこなす一風変わった事務員役で存在感を発揮している。

 無責任な所長役で出演しているバカリズムが、メインキャストのキャラクター監修にも参加しているそうだが、「彼にとって私は、相当謎めいて見えるんでしょうね(笑)。事務員でありながらハッカーという一面があり、そうかと思うとキックボクシングで汗を流していたり、マッサージ師になってターゲットに近づいたり…演じている私自身も戸惑うほど謎めいている。この先どうなっていくのかわかりませんが、たぶん、オモシロ担当になるのかな?」とニッコリ。

 それにしても、斉藤は若々しい。外見の美しさだけでなく、芝居に対する意欲が変わらないどころか、ますます精力的にまい進しているように見えるからだ。これに対して斉藤本人は、「私もこれまでいろいろあって悩んだ時期もありましたが、今、改めて思うのは、面白い作品に参加できるチャンスをいただけるなら、それをとことん楽しみたい…これが一番のモチベーションになっています」と吐露。「今回もそうですが、“斉藤を使ってみたい”という現場があって、私自身も楽しんで作品づくりに参加できれば、もうそれで十分。あとは何の欲もないので、そこに関してはすごくピュアだと思う」と胸の内を明かす。

 さらに斉藤は、「もっと詳細にいえば、人間の機微みたいなものを表現することが“心(しん)”から好きなんです。それはもう“好き”という自覚がないくらいに」と強調。「現場に入ると、考えるよりも先に“どんな表現にしたら面白くなるか”“どんな演技が求められているのか”“バランスをどうするか”など、いろいろなことが瞬時に浮かんでくるんですね。ちょっと不遜な言い方かもしれませんが、演じることが“天職”だと思っています」と自身を評した。

 若手がどんどん頭角を現わす中で、斉藤をはじめ、小泉今日子、中山美穂、薬師丸ひろ子、常盤貴子、鈴木保奈美、荻野目洋子ら、多少の年齢差はあるが、アイドルとして、女優として、一時代を築いた同世代が(復帰組も含めて)精力的に活動している昨今。「私たちの世代、特にアイドルはグループではなく、個人で看板を背負っている人が多かった。1つの商品として成立するために、自分で戦わなければならなかったので、良くも悪しくも強さがあるかも」。ほほ笑みながらそう語る斉藤の表情には、変わらぬ初々しさと、経験に裏打ちされた自信が心地よく漂っていた。(取材・文:坂田正樹 写真:高野広美)

 ドラマ『スキャンダル専門弁護士 QUEEN』はフジテレビ系にて毎週木曜22時より放送中。

『スキャンダル専門弁護士 QUEEN』に出演する斉藤由貴 クランクイン!