相手が倒れているなか、塩谷の豪快なゴールが決まりひと悶着

 森保一監督率いる日本代表は、17日のアジアカップ・グループリーグ第3戦ウズベキスタン戦に臨んだ。前半40分に先制点を献上するも、その3分後に同点弾を奪い、後半13分にはボランチ起用の塩谷司(アル・アイン)が強烈ミドルシュートを突き刺して逆転に成功した直後、相手選手が塩谷を小突いて両軍が一触即発の空気に包まれた。

 9日の初戦トルクメニスタン戦で3-2と逆転勝利を飾った日本は、13日の第2戦オマーン戦も1-0で連勝し、決勝トーナメント進出を決めた。グループ首位通過を懸けてウズベキスタン戦に臨んだなか、指揮官は第2戦から先発10人を入れ替える大胆采配を振るう。

 序盤、思うようにエリア内に侵入できない時間が続いた日本は、前半40分に右サイドから突破を許し、DF槙野智章(浦和レッズ)とDF三浦弦太(ガンバ大阪)がかわされて先制ゴールを献上。しかし3分後、DF室屋成(FC東京)が巧みなターンから相手をかわしてクロスを送ると、中央に走りこんだFW武藤嘉紀ニューカッスル)が相手に競り勝ち、ヘディングで同点ゴールを叩き込んだ。

 1-1で迎えた後半13分、室屋が右サイドからクロスを供給。これは相手にクリアされるも、こぼれ球に反応した塩谷がペナルティーエリア手前中央から左足を振り抜き、豪快なミドルシュートを叩き込んだ。

 日本の選手が歓喜に沸くなか、突如ウズベキスタンの選手が塩谷に食って掛かり、手を出して何やら抗議。塩谷もゴール方向に手を向け、ジェスチャーを交えながら応戦すると、両軍の選手が駆け寄って一触即発のムードが漂った。

塩谷が豪快ゴールも… 時間を巻き戻すと見えてくる騒動の理由

 この場面で何が起きていたのか。時間を少し巻き戻すと、その理由が見えてくる。

 塩谷がシュートを打つ直前、相手のMFムサエフがエリア内で倒れこんでおり、それを見たDFイスロム・トゥフタフジャエフが手を挙げながら、プレーの一時中断をアピール。しかし、塩谷はそのままプレーを続行してシュートを放った形だ。

 瞬間的な判断が求められる場面で、塩谷がプレーを止めるのは難しい。しかし、相手にしてみれば逆転ゴールを決められたこともあり、感情が爆発してしまったようだ。

 試合はそのまま日本が2-1で逃げ切り、逆転勝利でグループリーグ3連勝。この結果、グループ1位通過での決勝トーナメント進出が決まった。(Football ZONE web編集部・大木 勇 / Isamu Oki)

塩谷の逆転弾後、一触即発のムードが漂った【写真:AP】