第3戦をピッチの外から見守った長友が総括「誰が出ても良いプレーができると証明した」

 日本代表は17日のアジアカップ・グループリーグ第3戦ウズベキスタン戦で2-1と逆転勝利を収め、3連勝でグループ1位通過を果たし、決勝トーナメント1回戦でサウジアラビアとの対戦が決まった。ウズベキスタン戦は出場機会がなく、ピッチ外から戦況を見守っていたDF長友佑都ガラタサライ)は6人の選手に言及。そのなかで「めちゃくちゃ良かった」と、ある選手を絶賛している。

 森保一監督は第2戦からの大幅なメンバー変更を示唆したとおり、10人を入れ替える大胆な策に打って出た。GKはシュミット・ダニエル(ベガルタ仙台)、最終ラインに室屋成(FC東京)、槙野智章(浦和レッズ)、三浦弦太(ガンバ大阪)、佐々木翔(サンフレッチェ広島)が並んだ。ボランチに青山敏弘(広島)と塩谷司(アル・アイン)、2列目右に伊東純也柏レイソル)、トップ下に北川航也(清水エスパルス)、左に乾貴士(ベティス)となり、1トップに武藤嘉紀ニューカッスル)が入った。北川のみが連続スタメンとなった形だ。

 試合は前半40分に先制を許す苦しい展開となるも、その3分後の同43分に武藤が同点弾を叩き込むと、後半13分に塩谷がA代表初ゴールとなる強烈ミドル弾。そのまま日本が逃げ切り2-1で勝利を収めた。

 ここまで2試合連続出場の長友はベンチ入りするも出番はなく、ピッチ外から戦況を眺めていたが、「素晴らしかったと思う。総力戦で誰が出ても良いプレーができると証明した試合」と総括した。

第2戦後に苦言を呈した北川に対して「得点はなかったけど、明らかに良くなっている」

 そのなかでまず触れたのは、ゴールを挙げた2人だ。「シオ(塩谷)や武藤のゴールも嬉しかった。彼らが乗ってくれないと強くなれない」と切り出し、「武藤もなかなかゴールできず悔しかったと思うけど、周りが見えなくなっては困るけど、もっと強引に点を取りに行く彼の勢いが良い方向に導いてくれると思う」と評している。

 一方、第2戦後に苦言を呈していた北川に対しては「航也もめちゃくちゃ走って守備で体を張っていた。得点はなかったけど、明らかに良くなっているし、チームのために躍動してくれた。まだまだ求めるのは高いレベルにあるし、シュートも外してしまったけど、ああやって貪欲にいっていい。ああいうところを見たい」と奮闘を高く評価した。

 序盤からフルスロットルで飛ばし、攻守に走った乾は後半に入るとガス欠気味となり途中交代。長友は「あいつ、前半からめちゃくちゃ守備で走っていた。守備で相当頑張っていた」とチームを助ける献身的な姿勢に触れている。

 そして長友が特に注目を寄せていたのがサイドバックの2人だ。右に入った室屋は巧みなターンで相手をかわし、正確なクロスで武藤のゴールを演出した。一方、長友の主戦場となる左の佐々木も空中戦の強さを発揮するなど、持ち味を発揮している。「成も翔もめちゃくちゃ良かった、守備でスキを作らない」と大絶賛した長友は、さらに次のように続けた。

サイドバックに感銘 「ああいう見えない素晴らしいプレーを見ていかないと」

「成なんかアシストしたし、翔も守備でも地味なプレーだったかもしれないけど、抑えるところは全部抑えていたし、ヘッドで返すところは全部返していた。ああいう(一見すると)見えない素晴らしいプレーを、僕たちはもっと見ていかないといけない」

 両サイドバックの働きに感銘を受けた様子の長友。自身の立場も決して安泰ではないとばかりに、「僕もすごい刺激をもらいました」と気を引き締めている。

 これまで出場機会の少なかった選手や初出場組が第3戦で存在感を示し、チームの競争原理が働くのと同時に活性化を見せている。21日の決勝トーナメント1回戦で激突する相手は強豪サウジアラビアに決まったが、今度はどの11人が先発としてピッチに送り込まれるのか。森保監督も頭を悩ますことになりそうだ。(Football ZONE web編集部・大木 勇 / Isamu Oki)

日本代表DF長友佑都【写真:Football ZONE web】