福島県の「喜一」(喜多方市関柴町上高額字境田635-7)は、早朝から客が押し寄せる、喜多方を代表する行列店。〈■情報は発売中の「ラーメンWalker福島2019」より〉

【画像を見る】透明スープの中を縮れ麺が泳ぐ、この美しさ「日本海藻塩ラーメン」

ラーメンWalkerグランプリ福島2018総合部門6位にもランクイン。洋食のシェフから転身した店主の、「料理は引き算で作る」美学を体現した淡麗スープが絶品だ。澄みきった鶏ガラベースのスープは主張しすぎず滋味深い味わいを醸し出し、ファンは増える一方。食材には、日本古来の作り方をする新潟県の笹川流れの塩を使うなど、厳選ぶりが際立つ。

■ 澄みきった黄金色のスープがただひたすらに上品

Sio(塩)チャーシューメン」(918円)は、澄みきった黄金色のスープの優しい旨味が感じられ繊細かつ上品な味わい。歯応えを残しつつ、モチモチしすぎない特注の中太麺(朝日屋食品)は、程よくスープとなじみ絶妙なバランス。丼の表面をおおうように配置されたチャーシューも旨味十分だ。

日本海藻塩ラーメン」(648円)も人気が高い。新潟県村上市の笹川流れの小さな塩工房から取り寄せた塩を使用している。また、統一感を重視するためチャーシューやメンマ、醤油ダレはすべて同じ熟成醤油で仕込んでいるという。18年は三島町の町おこしで、温泉水を使ったまろやかな塩ラーメンを開発。息子の一史さんが独立して「満喜」を出すなど、さらに地元のラーメン界をにぎわせる。

店主の吉田 満さんは会津若松市ステーキハウスを開業後、独学でラーメンの世界へ。開店前から行列ができ、その人数のみでその日のスープが売り切れてしまうこともある。現在は、開店時間を朝9:00に変更。「仕込みのために夜中の3:00から作業していて、家族から心配されまして(笑)」。“働き方改革”後も麺への情熱は変わらない。

ラーメン通・百麺人の小林孝充は「老舗に人気店が多い喜多方にあって、比較的新しいながらも人気店に上り詰めた店。スープの香りがよく、他店とは全く異なる味わいだ」と評価する名店。行列覚悟で味わいたい。(東京ウォーカー(全国版)・【ラーメンWalker福島2019 編集部】)

Sio(塩)チャーシューメン