日本人にとって「紅白」という言葉は2つの意味で使用されています。まず、相対する(対抗する)2つの組を意味しています。紅白戦や紅白歌合戦などはその例で、古くは源平合戦に赤と白の旗印に別れて戦った事が由来しているとの説が有力です。以来、対抗する2つの組を表す意味で定着したのではと言われています。

また、おめでたい場に用いられる「紅白幕」やその席で振舞われる「紅白饅頭」や「紅白餅」…日本では縁起が良いとされるものに「紅白」が使われています。

それにしても、「赤」を表す漢字に、なぜ「紅」を用いているのでしょうか。

「赤」ではいけないのでしょうか。調べてみると、どうやら「紅白」という言葉には、古代から続く中国での色の考え方が反映されているようだということがわかりました。今回は気になる「紅白」の由来についてみていこうとおもいます。

学校の入学式や卒業式には紅白幕が用いられる

中国語では、「あか」といえば、「赤」ではなく「紅」を使うようです。例えば「紅人」は人気者、寵児(ちょうじ)という意味。ご祝儀は「紅包」と呼ばれています。また、中国では紅は縁起良い色とされ、『好ましく魅力的な色』とされているようです。

一方、「赤」は「紅」に比べると「赤裸裸」「赤貧(貧しい)」などあまり良い言葉として使われないことも多いようです。

また紅白は、赤色が赤ちゃん、白色が死や別れを意味し、その2つの色を組み合わせることによって人生そのもの(人の一生=ハレの舞台)を表していることから、お祝いやおめでたい場に、紅白幕を使用するようになったと考えられています。

そういえば、日の丸も「紅白」ですね。いかがでしたか?日本人や日本文化に密接に関係している「紅白」。これからも大切に伝えていきたい日本の色彩ですね。

参考

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