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観光地・横浜中華街から徒歩3分の位置にあり、大阪・西成、東京・山谷と共に日本三大ドヤ街のひとつに数えられる横浜・寿町。

11日・18日深夜放送の『NEWSな2人』(TBS系)では、NEWSの加藤シゲアキと小山慶一郎が寿町に潜入。寿町の現在、未だ根強い闇を浮き彫りにした。

 

■孤独死が増加

簡易宿所「ドヤ」が立ち並び、日雇い労働者が多く生活する街をドヤ街と呼ぶ。そのドヤ街のひとつ、生活保護受給者が8割を超え高齢者も増加し続けている寿町は、町内で長く飲食店を営む店主が「死んでる町」と評するほど、かつての活気を失っている。

特に深刻なのは高齢者の孤独死問題。宿所ではドアの開閉をチェックする装置を設置、時間経過を知らせ宿泊客の状況を管理者が把握できるシステムなどが導入されているが、それでも年間で100人以上が孤独死を迎えているという。

 

■違法薬物問題

また、こういった街は犯罪の温床になりがちなのも特徴のひとつだ。街を歩けば薬物の売人や違法賭博の現場に居合わせることも珍しくない。

港町だけに薬物が入ってきやすい環境ということもあり、不正薬物の摘発件数は全国の5割にあたる364件、覚せい剤の押収量は全国7割の850キロにも及ぶという。寿町に詳しい、薬物依存者更生施設団体の職員は「プロが集まるところ」とその実態を語る。

■違法賭博も…

薬物以外にも違法賭博も少なくない。「お金を貸してくれるから。お金がないのに博打をしたい人が集まる」と職員は語る。

取り立ても当然違法だ。「誰かがさらったとか、さらわれたとか…。見せしめだから」と寿町に潜む深い闇が明かされていく。こうした実情を語った職員は、「ハッキリ言ってヤクザ好きそうなネタが転がっている」と寿町を総括した。

 

■視聴者の反応は…

多い時には700食を配る、無料で食事を提供する炊き出しは行政からの支援もないボランティア。こういった問題も含め、横浜市健康福祉課に実情を聞くが明確な答えは出ず、寿町に根付く問題を解決していくには、まだまだ時間がかかることが明らかとなった。

知っているようで知らなかった街の現況に、視聴者からもさまざまな意見が発せられている。

 

■現場との温度差

問題点や対応策などを明確に答えられない福祉課職員に関して厳しい意見も目立ったが、担当部署が違うなど理由もある。

一概に職員を攻めるのは間違っているとはいえ、それでも現場との「温度差」を感じ憤りを覚えてしまうのは仕方がないのかもしれない。

この放送が一石を投じたとすれば、「死んでいる町」が今後どのような変化を迎えるのだろうか。展開を期待したい。

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(文/しらべぇ編集部・サバマサシ

違法賭博に薬物、多発する孤独死 日本三大ドヤ街・横浜寿町の現在に衝撃