乳歯が2本ほど生え変わらずに残っている12歳の子どもについて相談がありました。歯科で抜歯してもらったほうがよいのかどうかについて、専門家はなんとアドバイスしているでしょうか。



12歳児のママからの相談:「乳歯のままの歯がある」


12歳の息子ですが、歯が永久歯に生え変わっておらず乳歯のままのところがあります。あと2本ほどのようですがそのうちの1本は全く乳歯の揺らぎもなく、永久歯が脇の方から生えてくる気配もありません。まれに永久歯が生えてこず乳歯のままで過ごす歯もあると聞いたことがあり、またあまり生え変わりが遅いと、永久歯が出てくる勢いというか、力がなくなってくることもある、とも聞きました。今は様子見でよいのか、そろそろ歯医者で乳歯を抜歯してもらった方がよいのか、悩んでいます。 (30代・女性)




1~2年のずれは心配ない

歯の生え変わりには個人差があり、1~2年のずれに神経質になる必要はないようです。痛みがあったり、不安を感じていたりする場合は、受診してみることが勧められています。




『全ての永久歯が生えそろうのは13~14歳ごろと言われています。また、歯の生え変わる順番や時期には個人差があり、1~2年のずれであれば心配ありません。お子様のご年齢は12歳ということなので、乳歯のままの歯があっても全く問題なく、急いで歯科を受診する必要はありませんよ。(産婦人科看護師)』





『乳歯が抜けずに永久歯が生えてきてしまうようであれば、歯医者を受診した方が良いでしょう。もしくは、痛みが伴うなど症状があれば、受診をお勧めします。また、もともと永久歯が欠落している場合もあります。気になる症状がなくても心配なようであれば、一度レントゲンを撮ってもらうなど、歯医者を受診してみましょう。(看護師)』




「先天性欠如」か「埋伏歯」かで治療は異なる

生え変わらない原因は、永久歯がもともとないか、あるいは出てこられないかに分けられ、どちらの原因かによって治療が異なるようです。




『永久歯が生えてこない原因には、もともと永久歯がない「永久歯先天性欠如」と永久歯はあるのに出てこられない「埋伏歯」があります。永久歯が存在するかしないかはレントゲンを見ると分かります。永久歯は、胎児のときに顎の中で形成され、生え変わる時まで顎の中に埋まった状態で存在します。まずは、永久歯があるのかを歯科で調べる必要があるでしょう。(看護師)』





『永久歯が存在しない場合は、乳歯を大切にケアしていくしかありません。しかし乳歯は永久歯に比べ虫歯になりやすく、いずれは早い段階で抜け落ちてしまいます。そのため、なるべく長持ちさせるためのケアと抜け落ちてしまったあとの治療が必要になります。(看護師)』





『永久歯が存在している場合は、歯茎が硬くて出てこられない・別の歯が邪魔をしているなどの原因で永久歯が出てこられないことが考えられます。そのまま放置すると歯並びに影響する、隣の歯の根が溶けてしまうなどの合併症が起こりますので、治療が必要になります。まずは歯科を受診し、永久歯の有無についての検査と今後の治療について相談してみましょう。(看護師)』




歯の生え変わりには個人差があり、12歳ですべて生え変わっていないからといって心配する必要はないようです。歯科では、永久歯がもともとない「先天性欠如」か、あるのに生えてこられない「埋伏歯」かを判断し、それに合わせた治療が行われます。



参考資料:
花王株式会社永久歯と乳歯の“ちがい”



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