塩田千春の新作インスタレーション『6つの船』が、2月27日から東京・GINZA SIXに登場する。

ドイツベルリンを拠点に活動する塩田千春。世界各地の展覧会に出展し、2015年には『第56回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展』日本館代表作家を務めた。6月20日からは東京・六本木の森美術館で大規模個展『塩田千春展:魂がふるえる』の開催も予定している。

新作インスタレーション『6つの船』はGINZA SIXの吹き抜け部分に展示。全長5メートルの船6隻から構成された作品となる。GINZA SIXの吹き抜けは、これまで草間彌生、ダニエル・ビュレン、ニコラ・ビュフといったアーティストたちが彩ってきたスペース。日本人アーティストとしては開業時の草間彌生以来となる。塩田千春による新作は、戦後に困難を乗り越えて復興を遂げた銀座の「記憶の海」を6隻の船が出航し、前進する様子を表現した作品だという。展示は10月31日までを予定。

■塩田千春のコメント
船は人や物を運ぶだけではなく、時間も運ぶ。私の作品のテーマである「存在とは何か、生きているということはどういう意味なのか」や「私たちは何を求めて、どこへ向かおうとしているのか」という問いに寄り添っています。ここ数年船を作品に使っているのは、それぞれに方向性があり前進する、という意味も含まれているからです。
銀座には様々な記憶の中に人々の物語があります。幾度となく銀座を襲った震災や空襲の度に復興し、たくさんの困難を乗り越えて復活してきた銀座は日本の歴史の象徴かもしれません。
約25年前、銀座の画廊を見て、なんとかここで個展ができないかとクタクタになりながら、カバンの中に作品のポートフォリオを入れて歩き回っていました。アーティストとして作品を作って発表をしていくという壁の高さを、ただ思い知ったのも銀座でした。今回、GINZA SIXの吹き抜けを使って作品の発表ができることをとても嬉しく思います。

塩田千春『6つの船』イメージビジュアル