昨今、航空会社の顧客へのサービスの質が問われる中、反対に航空会社に対して横暴な態度を取る乗客がいるのも事実だ。このほど車いすに乗った太った男が、トイレ補助の際に客室乗務員(CA)に対して取った行動が問題視されている。『New York Post』『FOCUS TAIWAN』などが伝えた。

今月19日に米ロサンゼルスから台北に向かう台湾の航空会社「エバー航空」の旅客機内で乗客からセクシャルハラスメントを受けたとして21日、同社の女性客室乗務員が客室乗務員(CA)の労働組合「桃園市空服員職業工会」の代表者を伴って乗客の男に対して訴えを起こしたことが明らかになった。

セクシャルハラスメントをしたという男は当時、車いすで搭乗した。そして離陸から2時間後にトイレに行くためCAに補助を依頼してきたのだ。写真では、男は初老で明らかに太っており、一人で立ち上がることもままならないように見える。

男は今回訴えを起こしたCAと他2名の女性CAに対して、下着の脱着を依頼した。CAは「客室乗務員として乗客の下着を脱がすことは私の責任の範囲を超えていると感じました」と話している。

しかしながら当時、男性客室乗務員は乗っておらず3人の女性CAで対応するしかなかった。CAらは男の下着を脱がす際に裸の下半身が見えないように毛布で隠していた。しかし毛布を押さえていた手を男に叩かれて、その瞬間に見たくない物が見えてしまったとのことだ。

会見を行ったCAは、当時のことをこのように話している。

「私は男性にトイレ補助はできないことを伝えましたが、彼は『今すぐ手伝わないと床に用を足すぞ』と怒鳴って補助を強要してきたのです。」

「下着を脱がす際に他のCAが良かれと思って毛布を持ってきてくれたので、私はそれで彼の下半身を隠しました。ところが男性は『下着だけ脱がせばいいんだ!』と怒って毛布を持っていた私の手を叩いたのです。」

また、男は用を足す間、化粧室のドアを閉めることを頑なに拒んでいたとのことだ。CAらは何とかドアを閉めさせたが、体重が440ポンド(約199.5キロ)はあるとみられる男は、用を足した後に自分では拭けないためCAに尻を拭くように言ってきた。

一度は断ったものの男は「尻を拭いてくれるまでトイレからは出ない」と言い始めたために、チーフCAがラテックス製の手袋を3枚重ねて着け、彼の尻を拭くことにした。そして拭き始めた時、男はセクシャルハラスメントとも取れる行動に及んだ。

男は「ああ、うーん、もっともっと奥まで拭いて」と言ったかと思うと今度は拭き方に対して文句を言い、再度拭くように要求してきたというのだ。しかたなくチーフCAは要求に答えて拭き終わると、男は「さて、パンツをはかせてくれ」と言い放ち、ようやく男の用足しは終わった。

実はこの男、『Focus Taiwan』によると昨年5月にも機内で下着を着けたまま排便をして問題を起こしている。それを同社はブラックリストに載せず、男が搭乗してくるたびに現場のCAに任せっきりにしていたとのことだ。

桃園市空服員職業工会は、障害などのある乗客に対して介助者が付き添うなどの標準業務手順書の作成をするように航空会社に要請した。これに対してエバー航空は、今月21日に「客室乗務員は乗客からの不適切だと思われる要求に関して拒否することが許されています。また必要であれば、無礼な乗客を訴えるために会社が支援する準備もできています」と声明を出している。

画像は『New York Post 2019年1月21日付「Flight attendant says overweight passenger forced her to wipe his butt」(AsiaWire)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)

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