米映画芸術科学アカデミーが現地時間22日、第91回アカデミー賞のノミネーションを発表。アルフォンソ・キュアロン監督の『ROMAローマ』と、ヨルゴス・ランティモス監督の『女王陛下のお気に入り』が、最多10ノミネートを獲得した。日本勢では、是枝裕和監督の『万引き家族』が外国語映画賞に、細田守監督の長編アニメ『未来のミライ』が長編アニメ映画賞にノミネートされた。

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 メキシコの中流家庭の家族と、その一家に仕える若い家政婦の関係を描くキュアロン監督作『ROMAローマ』は、作品賞、主演女優賞、監督賞、助演女優賞を含む10部門にノミネート。本作は、劇場未公開のNetflix作品であると共に外国映画賞にもノミネートされており、作品賞とのダブル受賞という快挙になるのか、さまざまな意味で注目される。

 同じく作品賞、主演女優賞、監督賞、助演女優賞などを含む最多10ノミネートのヨルゴス・ランティモス監督作『女王陛下のお気に入り』。アン王女が統治する18世紀イングランドを舞台に、宮廷の女たちの野望と争いを描く。

 また、作品賞には初めてスーパーヒーロー映画である『ブラックパンサー』がノミネート。日本でも話題のレディー・ガガ主演『アリー/ スター誕生』は作品賞、主演男優賞、主演女優賞など8部門でノミネート、“クイーン”のフレディ・マーキュリーの華やかな成功と波乱万丈の人生を描く『ボヘミアン・ラプソディ』は作品賞、主演男優賞など5部門でノミネートされた。

 東京を舞台に、万引きで生計を立てるワケあり家族の絆を描くヒューマンドラマ『万引き家族』。是枝監督の作品がアカデミー賞にノミネートされるのは、今回が初めてとなる。日本映画が同部門でノミネートされたのは、2009年に開催された第81回アカデミー賞で受賞を果たした滝田洋二郎監督の『おくりびと』以来となる。

 細田守監督の長編アニメ『未来のミライ』は、未来からやって来た妹のミライちゃんと、“小さな兄”くんちゃんの冒険と絆を描く。細田監督の作品もアカデミー賞初ノミネートとなる。2001年に長編アニメ賞部門が開設されて以来、スタジオジブリ以外の日本アニメがノミネートされるのは今回初となり、受賞すれば2003年開催の第75回アカデミー賞で受賞した『千と千尋の神隠し』以来となる。
 
 授賞式は日本時間2月25日に米ロサンゼルスのドルビー・シアターにて開催される。

 第91回アカデミー賞主要部門のノミネーションは以下の通り。

■作品賞
ブラックパンサー
『ブラック・クランズマン』
ボヘミアン・ラプソディ
『女王陛下のお気に入り』
『グリーンブック』
ROMAローマ
『アリー/ スター誕生』
バイス

■主演男優賞
クリスチャン・ベイルバイス
ブラッドリー・クーパー『アリー/スター誕生』
ウィレム・デフォー『永遠の門 ゴッホの見た未来』
ラミ・マレック『ボヘミアン・ラプソディ
ヴィゴ・モーテンセン『グリーンブック』

■主演女優賞
リッツァ・アパリシオ『ROMAローマ
グレンクローズ『天才作家の妻 ‐40年目の真実‐』
オリヴィア・コールマン『女王陛下のお気に入り』
レディー・ガガ『アリー/スター誕生』
メリッサ・マッカーシー『Can You Ever Forgive Me?(原題)』

■助演男優賞
マハーシャラ・アリ『グリーンブック』
アダム・ドライバー『ブラック・クランズマン』
サム・エリオット『アリー/ スター誕生』
リチャード・E・グラント『Can You Ever Forgive Me?(原題)』
サム・ロックウェルバイス

■助演女優賞
エイミー・アダムス『バイス
マリーナ・デ・タビラ『ROMAローマ
レジーナ・キング『ビール・ストリートの恋人たち』
エマ・ストーン『女王陛下のお気に入り』
レイチェル・ワイズ『女王陛下のお気に入り』

■監督賞
スパイク・リー『ブラック・クランズマン』
パヴェウ・パヴリコフスキ『COLD WAR あの歌、2つの心』
ヨルゴス・ランティモス『女王陛下のお気に入り』
アルフォンソ・キャアロン『ROMAローマ
アダム・マッケイ『バイス

■長編アニメ映画
インクレディブル・ファミリー
『犬ヶ島』
未来のミライ
シュガー・ラッシュ:オンライン』
スパイダーマン:スパイダーバース

外国語映画賞
『Capernaum(原題)』(レバノン
『COLD WAR あの歌、2つの心』(ポーランド
『Never Look Away(英題)』(ドイツ
ROMAローマ』(メキシコ
万引き家族』(日本)

米アカデミー賞、日本勢『万引き家族』と『未来のミライ』がノミネート! 写真提供:AFLO