16強バーレーン戦で待望の今大会初出場 果敢なプレーで「攻撃に活気を与えた」

 韓国代表は22日のアジアカップ16強で、バーレーン代表を延長戦の末に2-1で下し、カタールとの準々決勝に駒を進めた。FWファン・ウィジョ(ガンバ大阪)、FWソン・フンミントットナム)が決定機を作れないなか、後半終了間際に投入された21歳のFWイ・スンウへの評価が高まっている。

 韓国は前半43分にFWファン・ヒチャン(ハンブルガーSV)が先制点を決めるも、後半32分に同点ゴールを許してしまう。90分で決着がつかず延長戦に突入するなか、延長前半アディショナルタイムにDFキム・ジンス(全北現代モータース)がダイビングヘッドを決めて勝ち越した。

 もっとも、韓国はボール支配率70.5%と主導権を握りながら、決定力不足を露呈してバーレーン相手に苦しんだ。総合ニュースサイト「news1」は、「韓国の攻撃を任された選手たちの動きは期待以下だった。ファン・ウィジョ、ソン・フンミンは相手の集中マークに遭い、MFイ・チョンヨン(ボーフム)もコンディションが良くなく、FWファン・ヒチャンもドリブルからチャンスを作り出したが、フィニッシュが良くなかった」と、前線の選手たちが見せ場を作れなかったと報じている。

 その停滞した雰囲気を少しでも打開したのが、後半44分から登場したイ・スンウだった。

 記事では、「イ・スンウはピッチに入ると同時にボールをもらえるスペースを走り回り、攻撃に活気を与えた。チャンスがあれば迷わずシュートを試みた。こうしたプレーは(パウロ・)ベント監督が求めていた姿だった」と称賛している。

中国戦後の“ペットボトル蹴り上げ”を反省「子供じみていて、軽率な行動だった」

 イ・スンウはアジアカップのメンバーに抜擢されながらも、グループリーグでは出番に恵まれず、第3戦の中国戦(2-0)で交代出場できなかったことに腹を立て、ペットボトルを蹴るなどして怒りを露わにした様子が韓国メディアに取り上げられていた。

 21歳のアタッカーはバーレーン戦終了後、「選手なら試合に出たい気持ちがある。勝負欲が強すぎてそういう行動を起こしてしまった。子供じみていて、軽率な行動だった」と反省を口にしたという。

 それでも、バーレーン戦では延長に突入し、疲弊していたチームに活気を与えたことは評価してもいいだろう。その後のキム・ジンスの決勝弾につながったのだからなおさらだ。イ・スンウも「チームの力になれて嬉しい」と笑顔を見せたと伝えられている。

 25日の準々決勝の相手はカタール。またもや中東の強豪との対戦となるが、イ・スンウが起爆剤となれるか注目したい。(金 明昱 / Myung-wook Kim)

FWイ・スンウはバーレーン戦で待望の今大会初出場を果たした【写真:AP】