「スペシャルドラマ 必殺仕事人2019」(テレビ朝日系)が、2019年春に放送されることが発表された。

【写真を見る】ふくの叔母・てん役でキムラ緑子が新加入。コミカルな掛け合いにも注目

今作からは、東山紀之松岡昌宏知念侑李、和久井映見、遠藤憲一とおなじみの仕事人たちに加え、東山が演じる同心・渡辺小五郎の妻・ふく(中越典子)の叔母・てん役でキムラ緑子も出演する。

2007年に“必殺シリーズ”が復活し、今回のスペシャル放送で13年目に突入。平成の最後を飾る本作では、貧しくても懸命に生きる若者を食い物にして私腹を肥やす極悪非道な商人を相手に、仕事人たちが動く。

商人は、ひたすらまじめに働く若者の商才を利用しようとわなを仕掛ける。商人に目をつけられてしまったがために、幸せな日々が一転、運命に翻弄(ほんろう)されることになる若者と、彼を支えるいいなずけ、二人の運命とは? 奉行所に圧力をかけられるほどの権力をもつ黒幕と、小五郎との直接対決にも注目だ。

また、2012年からオープニングナレーションを務めている市原悦子さんが、今後も“必殺シリーズ”のオープニングナレーションを担当することも決定。

東山は「市原さんは本当に優しい先輩でした。ぜひ、必殺の本編でもご一緒したかったです」とコメント。作品本編での共演がかなわなかったことを悔やむ一方で、今後も市原さんの声が作品のオープニングを飾ることを喜んだ。

小五郎とのコミカルなやりとりで「楽しい気持ちになっていただければ」

2007年から2018年のスペシャルまで小五郎の義母・こうを演じてきた野際陽子さんが2018年6月に逝去し、今作では渡辺家に新しい同居人がやってくる。

これまでは、孫を熱望するこうと、うだつの上がらない“婿殿”小五郎、こうの娘で小五郎の妻・ふくの軽妙な掛け合いが物語のよいスパイスとして人気を博していたが、こうの妹でふくの叔母・てん役でキムラ緑子が新加入。

こうの遺志を継ぐくせが強めのてんと小五郎の同居生活がスタートし、裏稼業では仕事人として活躍するが、表ではやっぱり肩身は狭いまま…という、小五郎のギャップは健在だ。

キムラは「初めて“必殺”の世界に入れていただくことになり、とてもうれしく思っております。私が演じる綾小路てんは、野際陽子さんが演じてこられた小五郎の義母・こうの妹です。こうの遺志をしっかり継いで、うだつの上がらない小五郎のお尻をたたいていきたいと思っております。“表”の顔の小五郎とのコミカルなやりとりを見て、楽しい気持ちになっていただければうれしいです」と、作品への意気込みを語った。

京都での撮影の合間に、東山ら3人が13年目に突入する“必殺シリーズ”への思いを語った。

東山が「13年目とこんなに長く続くシリーズで、僕ら3人がこの作品に携わる責任というものがさらに大きくなったと思っています。それをしっかりと受け止め、この作品を後世に伝えたいと思います」と言えば、松岡は「僕はちょうど平成元年にこの仕事を始めたので30年…。昭和の時代に始まり、平成、そして新しい時代へと続いていく『必殺仕事人』はすごいなと思います」と、変わらずシリーズが続いていくことに感嘆。

また、知念も「5度目の出演なので、僕の演じる“リュウ”をもっとたくさんの人に知ってもらいたい」と意気込みを語った。

■ 「スペシャルドラマ 必殺仕事人2019」あらすじ

江戸の同心・渡辺小五郎(東山紀之)は、一年前に母を亡くして以来、ふさぎがちな妻・ふく(中越典子)が気掛かり。同僚の住之江彦左衛門(松尾諭)は、そんなふくの姿を見て、遺品を何か別の品に交換して気持ちの整理をつけた方がよいと、油問屋で丁稚奉公をする傍ら、人と人とが品物を交換する橋渡しをしている弥吉を紹介する。

けがをして町医者へ行ったリュウ(知念侑李)は、治療を手伝う気立ての良い娘・おたねに思わず見とれてしまうが、弥吉と恋仲だと知る。また、お菊(和久井映見)も弥吉の目利きを信用している客の一人で、涼次(松岡昌宏)の前で弥吉とおたねを褒めちぎる。そんな誰からも愛される弥吉とおたねが暮らす長屋一帯を、やくざ者が買い取ったという不穏なうわさが広まっていた。

ある日、大金持ちの商人・蘇我屋忠兵衛に呼び出された弥吉は、江戸中に人脈を持つ大商人・上総屋清右ヱ門を紹介され、物々交換の際に手間賃を取って“献残屋”という商売をしないかと持ち掛けられる。しかし、純真で欲のない弥吉はこの申し出をあっさり断ってしまう。

そんな中、やくざ者たちが強引に長屋の解体を始める。住民たちが大混乱に陥いる中、抵抗したおたねの母が無残にも斬り殺されてしまう。

お上からのお達しを受けた奉行所が、この蛮行を見て見ぬふりしたため、おたねの母の敵討ちもかなわない…。打ちひしがれる弥吉とおたねの姿を見たリュウは、思わず「三番筋の祠に願をかけると、晴らせぬ恨みを晴らしてもらえるとか…」と耳打ちしてしまう。

はっとする弥吉の前に現れた陣八郎(遠藤憲一)は、「それなりの金がいるらしいぜ」と告げる。「今回だけ…」と自分に言い聞かせ、物々交換で手間賃をもらった弥吉は、三番筋に向かう。

一方、一度きりとはいえ手間賃を取ったことを知った清右ヱ門に「思ったより簡単に手のひらに金が乗ったろう?」と詰め寄られ、ついに“献残屋”を始めることにした弥吉。悪い予感がしてならないおたねだが、その心配をよそに店は大繁盛。しかし、大金持ちになった弥吉と、これまで通り堅実に生きるおたねの感覚にもずれが生じ始める。

全てが順風満帆に見えた弥吉だが、仕事でしくじり、清右ヱ門に尻ぬぐいをしてもらうことになる。そして、ついに本性を現した黒幕・清右ヱ門から、長屋を色街にする事業を進めるよう命令されてしまう。おたねや長屋の人々を守るべきか、裏切って清右ヱ門の言いなりになるべきか…弥吉は、善と悪の間で揺れ始める。(ザテレビジョン

今作でも仕事人を務める遠藤憲一、知念侑李、東山紀之、和久井映見、松岡昌宏(写真左から)