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 共に生きるパートナーがいない人は、とかく偏見の目で見られがちだ。だが、それはあくまでも世間のイメージである。

 歴史的にみると、独身生活は時代が進むにつれ、どんどんと良いものになってきているのようだ。これは個人についても言えることで、年齢を重ねるほどに、独身生活に対する満足感は高まってくるという。

 かつて恋人が欲しいという気持ちは孤独感と関係していた。だが、今ではそれほど関係がないということが、ドイツの研究結果により明らかになった。

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 これは『The Journal of Gerontology: Series B』に掲載された、パートナーとの関係と孤独感をテーマとした最近の研究で明らかになったことだ。

 この研究論文では、「ジャーマン・エイジング・サーベイ(German Ageing Survey)」で集められた40~85歳のドイツ人を代表するサンプルを分析した。

 その結果、歴史的・年齢的に見たときに独身生活に対する満足感が向上しているという事実や、パートナーの有無が孤独感と関係なくなってきているという事実が判明した。

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年齢を重ね、時代を経るほどに、独身生活に対する満足感が向上


 主な発見は次の4つである。

1. 独身の人の生活に対する満足感は年齢を重ねるほどに向上する
 一方で、配偶者がいる人の結果はそれほど単純ではない。中年になると、夫婦は関係の良好さが低下してきていると答える傾向にある。しかし、さらに年齢を重ねると、満足感が向上し出す。

2. 過去18年で独身者の生活に対する満足感は向上(1996-2014
 こちらについても、夫婦のそれは単純ではない。分析方法によって、最近の夫婦はかつてほどお互いの関係のあり方に満足していないという結果だったり、反対に満足感が向上しているという結果だったりと、まちまちなのである。だが、その大半は中年について言えることだ。

3. 年齢を重ねるにつれ、恋人の有無との孤独感の差異は小さくなっていく
 つまり年齢を重ねるほどに、孤独感と恋人の有無との関係は薄まってくるということだ。

4. 過去18年で、恋人の有無と孤独感の差異は低下した(1996-2014
 1996年では恋人のいる人はいない人よりも孤独を感じずに済んだかもしれないが、2014年までには恋人の有無はあまり関係なくなってきた。

 なお、ここでの恋人がいる人とは、既婚者、同棲している人、安定して交際している相手がいる人のことだ。また恋人がいない人には、独身者に加えて、未亡人、離婚者、配偶者と別居している人も含まれている。

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なぜ独身生活の満足感が年齢や時代を経るほどに向上するのか?


 こうした傾向の原因について今回の研究は何ら説明がなされていない。

 年齢を重ねるほど独身者の満足感が高まる理由については、年を取ると、独身者に対するレッテルを貼られることがなくなったからでは?と推測するのみだ。

 一方、ベラ・デパウロ博士(研究には不参加)は、時代と共に特に女性にとって結婚の重要度が低下していることを指摘する。

 全体的に見れば女性の賃金はなお男性よりも低いが、それでも十分に生活できるだけの稼ぎのある女性は今ではたくさんいる。そのため経済的な支援を得るために夫に手綱を握られる必要はない。

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 また男女どちらにも言えることだが、未婚であっても性についてレッテルを貼られる心配がない。今や、未婚の母の許に生まれた子供であっても、ドイツでは既婚の母の子供とまったく同じ法的権利が与えられる。

 避妊や生殖技術の発達によって、女性は妊娠することなく性生活を営めるし、それなくして妊娠することもできる。

 かつて性、子育て、経済力は結婚と分かちがたく結びついており、それが独身生活と結婚生活を大きく違うものにしていた。

 だが今ドイツでは、結婚制度自体が形骸化しつつあるようだ。

References:academic / psychologytoday/ written by hiroching / edited by parumo

全文をカラパイアで読む:
http://karapaia.com/archives/52270237.html
 

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