生活に困窮している家庭の母親が、子供たちの食事のためになけなしのお金でピザを注文した。ところが店側が急遽注文をキャンセルしたことで、母親は警察へ通報する羽目になってしまった。一体何が起こったのか。『The Sun』『Metro』などが伝えている。

英デヴォン州プリマスに住むクレアさんは、多くの国にチェーン店を持つドミノ・ピザにピザを注文したがために窮地に陥った。

クレアさんは5歳、13歳、15歳の子供3人の食事にと37ポンド(約5,200円)を支払って、プリマスにあるドミノ・ピザにデリバリーを注文した。しかし1時間後に店側から注文をキャンセルするという電話があった。店のオーブンが故障したためにピザが焼けなくなってしまったという。そこでクレアさんは、既に銀行カードで支払ったピザ代37ポンドを返金してほしいと申し出た。ところが店側は、「翌日にならないと返金手続きができない」と伝えてきた。

実はピザ代を支払う前のクレアさんの口座には、44ポンド(約6,200円)しか残っておらず、ピザ代を払ったことで残高が7ポンド(約1,000円)になっていたのだ。ピザを食べられるならともかく、食べることもできないうえに返金もすぐにしてもらえないとなると、7ポンドではどうにもならない。クレアさんは「店に行くので、お金をすぐに返してほしい」と頼んだが、店側は「無理」と言うだけだった。なす術もないクレアさんは子供たちにピザが食べられなくなったことを伝え、クリスプス(ポテトチップス)やお菓子などを夕食代わりに食べてもらい、子供たちは空腹のまま眠りにつかねばならなかったという。この時、行き詰ったクレアさんは、助けを求めて緊急通報までしたそうだ。その時の様子をクレアさんはこのように話している。

「ドミノのマネージャーは、すぐに返金できない代わりに他のドミノ・ピザに行くようにとオファーをすることもありませんでした。なけなしのお金で子供たちのためにピザを注文したのに。店には『それじゃあ、子供たちに空腹で過ごせというの!?』とも伝えましたが、何もしてもらえませんでした。口座には7ポンドしか入ってなく、お腹を空かせて失望している子供たちの顔を見ることがどんなに辛かったか。その場にいたくないとさえ思ってしまいました。『警察に通報するから』と言う私に、店側は『わかりました』と言っただけだったんですよ。それでたまりかねて、泣きそうになりながら警察に電話したのですが、警察からは『どうにもできない。ドミノに電話してくれ』と言われただけでした。」

結果としてドミノ・ピザは翌朝、クレアさんに返金手続きをしたが、さらに不運なことにクレアさんの銀行がその返金手続きに5日もかかってしまったそうだ。ドミノ・ピザのスポークスマンは「店のオーブンが故障してしまい、お詫びいたしました。返金手続きも翌日させていただきました」と述べている。

クレアさんが、果たしてシングルマザーなのかベネフィット(生活保護手当)受給者なのか詳細は明らかになっていないが、近年イギリスではベネフィットの受給システムが大きく変更になったことから、更なる貧困生活を強いられる家庭が増加している。

このニュースを知った人からは、「ベネフィット(生活保護手当)のシステムが変わってからは本当にやりにくい。貧困に陥っている人がたくさんいるよね」「でもピザ代37ポンドって使い過ぎじゃない?」「37ポンドあれば、ピザを頼まずに1週間分の食事が作れるわよ」「残り7ポンドでもなんとかやりくりすれば、お菓子なんか食べて過ごさなくてもいいはず。やり方が下手なのかな」「う~ん、さすがにこれは警察はどうにもできないな」「7ポンドだけしかなくても、スーパーの安売り品をゲットして、すぐに調理して半分を翌日に残しておくとか工夫はできると思うけど」「やっぱりベネフィットのシステムがなってないんだと思う。フードクーポンとかを配布するべきでは」といった声があがっている。

画像は『The Sun 2019年1月16日付「TAKING THE PIZZ Skint mum calls cops on Domino’s after £37 pizza delivery that she spent last of her cash on is cancelled leaving family with no food」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)

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