妊娠中の下痢と便秘は多くの妊婦さんが経験するトラブルの一つです。今回は、妊娠23週のプレママからの相談です。「下痢と便秘を繰り返しているけど、何か対策があれば教えて欲しいです。また、赤ちゃんへの影響はありますか?」とのことです。看護師さんたちからはどのようなアドバイスが寄せられたでしょうか。



プレママからの相談:「妊娠中の下痢と便秘、何か対策はあるの?赤ちゃんへの影響は?」


初めての妊娠です。下痢が続いてすごく辛いけど、少しして治ったと思ったら便秘になったり…。普通の便が全く出ません。元々下痢にはなりやすかったのですが、便秘にはあまりなったことがなく、2日間出ないだけで不快感が凄くあります。毎日下痢か便秘かのどちらかですごく辛いです。どうして普通の便が出ないのでしょうか。また便秘か下痢のせいで赤ちゃんに何か影響はありますか?薬を飲むことがとても苦手なので何か対策があれば教えて欲しいです。(10代・女性)




ホルモンバランスの変化などによるものなので心配ありません。

妊娠中の便秘と下痢は、ホルモンバランスの変化などによるものなので心配はないとのこと。ただし、血便や水様便などの時には早めに病院を受診するようアドバイスをいただきました。




『妊娠して便秘と下痢を繰り返すのは、ホルモンバランスの変化で自律神経が乱れ腸の動きが悪くなること・食生活が変わること・つわりの症状で便秘と下痢を繰り返すというのもあります。妊娠中に便秘や下痢を繰り返してもほとんどが心配ありません。血便・水様便・嘔吐を伴う下痢・一日に何回も下痢する場合は早めに病院を受診してください。(看護師)』




便秘も下痢も水分摂取が大切です。食事や生活の工夫で対策を。

便秘も下痢も水分をしっかりとって、便秘の時は食物繊維の多いもの、下痢の時は消化のよいものを摂るようアドバイスをいただきました。




『便秘の時は、食物繊維を多く含むものを中心に、水分を多めにとり、散歩などの軽い運動を行ってください。どうしても出ない場合はお薬に頼ることも必要です。飲み薬に抵抗があるのでしたら、座薬もありますから、医師に相談してください。下痢の場合は、温かい飲み物や消化のよい柔らかいものを召し上がるようにしてください。お腹を冷やさないようにし、水分は多めに摂ってください。(看護師)』




妊娠中期は子宮が大きくなり腸を圧迫して便秘や下痢になることも。

妊娠中期は子宮が大きくなりはじめるので、腸を圧迫して便秘や下痢になりやすくなるとのことです。




『妊娠中期は、子宮が大きくなりはじめ腸を圧迫するので便秘や下痢になりやすくなります。また、便秘や下痢の原因としては妊娠に伴いプロゲステロンというホルモンが増加することで腸の動きが悪くなることもあげられます。腸の動きが悪くなると便秘になることが多いのですが、腸での水分代謝がうまくいかず稀に下痢となることもあります。(看護師)』




痔の原因になったり、早産の誘因になることもあります。

妊娠中の下痢や便秘は、痔の原因になったり、早産の誘因になることもあり、早めに対応することが大切とのアドバイスをいただきました。




『妊娠中の便秘や下痢への対処としては、規則正しい生活習慣、水分・食事の摂取、適度な運動が基本的な対処方法となります。特に便秘には食物繊維の摂取が効果的ですが、腹部膨満感や腹痛を引き起こす可能性もあるため症状が強く出る場合は摂取を控えた方が良いです。便秘や下痢は、痔の原因となったり、便秘の場合は硬くなった便を出すために強く腹圧をかけることで、お腹が張り早産の誘因になりうるので早めに対応することが大切です。(看護師)』




妊娠中の下痢と便秘は、食事や運動など生活の工夫をするとともに、必要に応じて主治医に相談するなどして早めに対応することが大切です。



参考文献
宮里和子 監 「母性看護学」医学芸術社 発行 2011.03



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