今月末から「犯罪被害実態調査」を行うことを法務省が発表した。
7年ぶりとなる調査だが、調査方法に工夫を加えるほか「加害者から暴行や脅迫があったか」などについて質問するという。これは性被害において、見えにくい実態を探るためだ。
■110年ぶりに性犯罪の刑法規定改正
性犯罪の刑法規定は2017年の夏、110年ぶりに改正された。これまで、男性から女性への性器の挿入によってのみ定義づけられていた「強姦罪」は、被害者の性別を問わない「強制性交罪」に変わった。
しかし、暴行や脅迫がなければ罪に問われないという要件の変わらなかったことから、「暴行や脅迫がなくても、抵抗できない場合もある」という批判が相次いだ。
■「訪問調査」の回答方法も工夫
調査は、無作為に選びだした16歳以上の男女6,000人を対象に今月末から2月に訪問調査をする予定(結果は新年度の予定)。
警察などの公的機関が認知している犯罪の件数と、実際に起きている件数との差を指す「暗数」を含めた犯罪被害の実態を調べ、刑事政策に役立てることが目的だ。
これまで「訪問調査」は、その場で書面に回答し調査員に渡していた方法だったそうだが、被害者支援団体からの「その場で書くのは難しい」の声を受け、性被害については後日インターネットや郵送で回答できるようにするという。
■回答の選択肢にも変化
「強制性交」や「強制わいせつ」などの性被害を受けたと回答した人には、暴行・脅迫の有無のほか、被害時の状況について「抵抗することができた」「暴力をふるわれると思って抵抗できなかった」などの選択肢が設けられる。
加害者についても「家族・親戚」だった項目を「親」「兄弟姉妹」などに分けるほか、「上司」「同僚」など選択肢を増やし、関係の明確化を目指すという。
■日本は性犯罪者に甘いのか?
日本国内での性暴力(強姦・わいせつ・DV・セクハラ・痴漢など)の報道が相次いでいる。再犯率の高さも目立つが、多くの報道を受けて日本の性犯罪者に対して「甘すぎる」との声も挙がっている。
しらべぇ編集部は、全国の20代~60代の男女1,344名を対象に調査を行ったところ、「日本は性犯罪者に甘い」と感じている人は、8割を超えている。
性別の回答でも男女ともに8割を超え、大きな差はないことがわかった。事件を受けて「許せない」との感情から「厳しい処罰が必要」と感じる人から、教師によるわいせつ行為の報道を通して、幼い子供を持つ親が「危機感を覚える」という意見も見られる。
「刑法が甘い(軽い)ために、再犯率が高い」との声も。今後、日本が性被害者・加害者とどのように向き合っていくのか、注視していきたい。
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【調査概要】
方法:インターネットリサーチ「Qzoo」
調査期間:2018年8月31日~2018年9月3日
対象:全国20代~60代の男女1.344名 (有効回答数)
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