今年は亥年。猪突猛進して頑張ろう!と奮起されている方も多い事かと思います。さて、そんなアナタに、猪のパワーを存分に頂ける名店、300年の歴史を誇る両国の猪肉「ももんじや」をご紹介します。

江戸時代から食べていた猪肉

江戸時代には動物の肉を食べる事は忌まれていました。しかし寒い冬にはお肉を食べなければパワーが出ません。おまけに風邪でもひこうものなら、滋養をつけないといつまで経っても病は治りませんよね。

そこで、獣肉食いを正当化するために「肉は薬だ」とする考えが生まれました。いわゆる「薬食い」です。猪の肉も直接「イノシシ」と呼ぶことは憚られたので、「ボタン」や「山くじら」と呼ばれ、特に冬になると広く庶民にも親しまれました。

ちなみにボタンというのは肉の赤身と白い脂身の美しい色合いから来ているそうです。浮世絵や外国人の旅行記など複数の資料にも「山くじら」の看板が描かれているため、かなり堂々とお店をやっていたことが分かります

歌川広重「名所江戸百景 びくにはし雪中」ボストン美術館

両国の名店「ももんじや」

ももんじや看板

さて、今回ご紹介するのは享保3年(1718年)創業、両国のジビエの名店「ももんじや」です。

昔の看板

先付の猪のすじ煮込み

まさにイノシシを前面に押し出した看板を掲げているだけあって、看板メニューは「猪鍋」。

脂の乗った猪肉

味噌と秘伝のたれを合わせた出汁つゆは、すき焼きのように甘辛く、江戸前流のしっかりした味付け。その中に猪肉、ネギ、木綿豆腐、白滝、水菜と鍋の具材をぎっしり入れて10〜15分ほど煮込んでいただきます。

完成した猪鍋

秘伝のつゆをたっぷり含んだ猪肉は、脂が非常に甘く、豚よりも旨味が凝縮されています。とろっとろのネギと合わせるとさらに甘みが増します。臭みもクセも全くなく、ジビエ初挑戦でも間違いなく「美味しい!」が飛び出す一品。お好みで山椒と七味を合わせれば違った風味を楽しめます。

しめのうどん

シメは、お店の方に勧められるままにうどんを追加。お鍋が空っぽになる頃には、お腹いっぱい幸せいっぱいです。

コースを注文すれば、柔らかくヘルシーで臭みのない「鹿肉の刺し身」や、まるでフランス料理のような上品な味の「猪のチャーシューと鹿のローストのバルサミコ風味」ほか、手の込んだジビエ料理を堪能できちゃいます。

鹿肉の刺身

 

猪チャーシューと鹿のローストのバルサミコ風味

2019年の年初めは両国「ももんじや」の猪肉で、一年間波に乗っていきましょう!

ももんじや 店舗情報

 
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