セリエA第21節、アタランタvsローマが27日にアトレティ・アズーリ・ディタリアで行われ、3-3のドローに終わった。

7位のアタランタ(勝ち点31)と、5位のローマ(勝ち点33)によるトップ4フィニッシュを争うライバル同士の一戦。

公式戦4連勝とようやく本調子を取り戻したローマは前回対戦で3-3の打ち合いを演じた難敵相手の一戦に向けて前節トリノ戦から先発3人を変更。負傷のジェンギズ・ウンデルに代わってエル・シャーラウィクライファートとファシオに代わってエンゾンジとマルカノが起用され、長期離脱明けのカピターノ、デ・ロッシがベンチに入った。

好調のザニオーロを右ウイングに起用する新たな並びでスタートしたアウェイのローマは開始早々に先制点を奪う。3分、左サイドの高い位置でボールを持ったコラロフの低いクロスをペナルティアーク付近のザニオーロが胸を使ったワンタッチパスで落とすと、これに抜け出したジェコが冷静にゴール左へ流し込んだ。

ジェコの13試合ぶりとなる今季3点目で幸先良くリードを手にしたローマだったが、近年苦手とするアタランタ相手に主導権を完全に掴み切るまでには至らず。9分にはアレハンドロゴメスのフィードに抜け出したイリチッチに得意の左足でのフィニッシュを許すが、これは枠を外れた。

その後は攻守の入れ替わりが激しいオープンな展開が続くが、徐々にアレハンドロゴメス、イリチッチを起点にアタランタが押し込む時間帯が増える。しかし、粘り強い守備で何とか失点を防ぐローマは33分、中盤のエンゾンジから絶妙なミドルスルーパスに抜け出したジェコがボックス内で冷静にGKをかわして今季のリーグ戦では初となるドッピエッタを達成した。

この2点目で流れを引き寄せたローマは直後にも完全に裏へ抜け出したザニオーロに絶好機もここは決め切れない。それでも、40分にはカウンターからボックス手前右で溜めたザニオーロからのラストパスをエル・シャーラウィが落ち着いて蹴り込み、貴重な3点目を奪った。その後、前半終了間際の44分にイリチッチとアレハンドロゴメスの見事な連係からカスターニュにヘディングシュートを決められ、1点を返されたもののローマが敵地で2点のリードを得て試合を折り返した。

前半終了間際の1点で士気を失わずに後半を迎えたアタランタが立ち上がりからローマを押し込んでいく。イリチッチらのフィニッシュワークがうまくいかずなかなか決定機に至らなかったが、59分にはボックス手前右でアレハンドロゴメスが入れた浮き球のクロスをDFに競り勝ったトロイがゴール右隅に流し込み、ついに点差を1点に縮めた。

後半に入って流れが悪いローマエル・シャーラウィ、ペッレグリーニを下げてクライファート、フロレンツィを両ウイングに配置。サイドの守備のテコ入れを図ると共によりカウンターを意識した戦い方にシフトする。

一方、ホームアドバンテージを目いっぱいに生かして攻勢に出るアタランタは68分にボックス内で仕掛けたイリチッチがDFコラロフと交錯。当初、主審はイリチッチのシミュレーションと判定するが、ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)による検証の結果、PK判定に覆す。このPKはキッカーのドゥバン・サパタが大きくふかしてしまい失敗となるが、相手のリスタート直後のプレーで高い位置でのボール奪取に成功すると、ボックス右に抜け出したサパタがニアサイドに流し込み、PK失敗をすぐさま払しょくする値千金の同点ゴールとした。

3点リードを追いつかれる今季幾度も見せたリード時の拙い振る舞いを再び露呈したローマはこれ以上の失点を避けるため、78分にカルスドルプを下げてセンターバックのファシオを投入。[3-5-2]の守備的な布陣に変更して立て直しを図る。

試合終盤にかけては勢いで完全に勝るアタランタの時間が続いたものの、ローマも何とか4点目を凌ぐことに成功。前回対戦と同様に壮絶な打ち合いとなった一戦は痛み分けのドロー。ただ、後半戦に入っても守備と精神的な脆さを露呈したローマにとっては厳しい取りこぼしとなった。

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