4戦連続ベンチスタートの大迫が満を持して先発へ、各ポジションは“いつもの顔ぶれ”か

 日本代表は28日のアジアカップ準決勝でイラン代表と対戦する(現地時間18時キックオフ/日本時間23時)。“アジア最強”の相手に対して、日本はどう立ち向かうのか。ここまで4試合連続ベンチスタートのエースFW大迫勇也ブレーメン)が満を持して先発復帰しそうだ。その一方、状況に応じて投入される“切り札”も鍵を握る。

 ついに攻撃の大黒柱が戻ってきそうだ。グループリーグ初戦トルクメニスタン戦(3-2)は先制される苦しい展開となるも、大迫が2ゴールを叩き込んで逆転勝利。しかし、その代償として右でん部痛が再発し、第2戦オマーン戦(1-0)以降、第3戦ウズベキスタン戦(2-1)に続き、16強サウジアラビア戦(1-0)と3試合連続で出場を回避した。

 サウジアラビア戦の翌日練習に本格復帰し、8強ベトナム(1-0)の後半27分から途中出場して勝利に貢献。GK権田修一サガン鳥栖)からのフィードをピタリと足下に収めるなど安定のポストプレーで攻撃の起点となった。チームメートたちも先発復帰を心待ちにしており、このイラン戦でようやく先発に戻りそうだ。

 布陣はここまでのベストメンバーが並ぶだろう。GKは今大会4試合出場の権田になるはずだ。ベトナム戦ではバックパスの処理で精度を欠くパスからピンチを招いたが、「そこは(吉田)麻也と話をしてクリアになっている」と語る。

 最終ラインもいつもの顔ぶれとなりそうだ。右から酒井宏樹マルセイユ)、成長著しい20歳の冨安健洋シント=トロイデン)、キャプテンの吉田麻也サウサンプトン)、長友佑都ガラタサライ)だろう。

 2ボランチは司令塔の柴崎岳(ヘタフェ)と遠藤航シント=トロイデン)がコンビを組み、2列目右は今大会2ゴールをマークしている20歳の堂安律フローニンゲン)、左はオマーン戦で決勝PK弾の原口元気ハノーファー)が担う。トップ下はここまでノーゴールと燻る南野拓実ザルツブルク)、そして1トップに大迫が戻るはずだ。

それぞれの特長を持つ日本の“切り札”たち 状況に応じてどのカードを切るのか

 日本はベストメンバーが予想されるなか、切り札も試合の流れを左右する。MF乾貴士(べティス→アラベス)はウズベキスタン戦で約1カ月ぶりの公式戦出場し、「試合勘や体力が取り戻せた」と好感触を得ている。切れ味鋭いドリブルが戻りつつあり、昨夏のロシアワールドカップで共闘した長友との好連係にも期待できそうだ。

 また、ウズベキスタン戦で1ゴールをマークしたFW武藤嘉紀ニューカッスル)は、大迫との2トップやトップ下の起用も想定済みだという。大迫を中心として、衛星的に動き回るプレーのイメージを膨らませており、「合わせられる自信はある」という。その一方で、スピードに特化しているのがMF伊東純也柏レイソル)だ。スペースが生まれた状況であれば、その韋駄天が最大限に生きるだろう。

 守備のマルチプレーヤーであるDF塩谷司(アル・アイン)も、様々な状況に対応可能だ。粘り強い対応に加え、空中戦にも強いうえ、ウズベキスタン戦で叩き込んだ強烈ミドル弾のように“一発”も備えている

 今大会のイランは5試合で12得点無失点と圧倒的な数字を残しており、FIFA国際サッカー連盟)のランキングでもアジアトップの29位(日本50位)。そんな強敵を撃破し、2月1日の決勝(UAEカタールの勝者)へと駒を進めることができるだろうか。(Football ZONE web編集部・大木 勇 / Isamu Oki)

アジアカップ・準決勝イラン戦 「日本代表の予想スタメン」【画像:Football ZONE web】