日本戦の前日会見中、館内放送が響き渡って中断 ケイロス監督が話始めると…
イラン代表は28日のアジアカップ準決勝(現地時間18時キックオフ/日本時間23時)で日本代表と対戦する。チームを率いるカルロス・ケイロス監督は、試合前日の27日にハッザーア・ビンザイード・スタジアムで行われた公式会見に出席したが、珍ハプニングに見舞われた。
ケイロス監督は1996年~1997年に、Jリーグの名古屋グランパスエイト(当時)を指揮。その後、レアル・マドリードやポルトガル代表で監督を務め、2011年からイラン代表を率いている。今大会ではグループリーグを2勝1分で首位通過を果たし、16強でオマーンに2-0、8強で中国に3-0と完勝。ここまで5試合で12得点無失点と総合力の高さを存分に見せつけている。43年ぶりのアジアカップ制覇に突き進むなか、日本戦を控えたケイロス監督は「アジアで最も成功を収めているチームと戦う」と警戒を強めた。
質疑応答で会見が進むなか、日本代表について「彼らはピッチで素晴らしい動きをしている。非常に正確で、スピードがあり、レベルも高い」と評価したところで、思わぬ中断が入った。突如、スタジアムの館内放送が響き渡ったのだ。
ケイロス監督は驚きの表情を浮かべたが、放送が終わると何事もなかったかのように話し始めた。
「それで、私たちに最も必要なのは……」
すると、ここで再び館内放送が入ってケイロス監督の声をかき消す。これには思わず笑みを浮かべた敵将だが、それでも二度目の放送が終わると真剣な表情で言葉を紡ぐ。
四度目の館内放送で中断後、敵将も爆笑 五度目の放送後に一言で笑いを巻き起こす
「私たちは自分たちのアイデンティティーを失ってはならない。これは最も大事なことだ。もちろん……」
三度目の館内放送がケイロス監督の会見をシャットアウト。これには指揮官も苦笑いで、「君たちは私の記者会見をボイコットしているよ」とジョークを飛ばした。
報道陣を笑わせた後、ケイロス監督は気を取り直して再び先ほどの言葉から始めた。「私たちは自分たちのアイデンティティーを失ってはならない」。次の瞬間、四度目の館内放送が入り、敵将の爆笑と同時にその場は和やかな空気に包まれた。
放送が終わると、ケイロス監督は「えーと、進めていいのかな?」と笑顔で確認。と同時に、五度目の館内放送が重なるように流れ、これには呆れたように笑うのみだった。ようやく放送が終わると、ケイロス監督が再び口を開く。
「さて、要約すると……黙れ!」
冗談と皮肉を交えた一言で再び笑いを巻き起こしている。最後は「自分たちらしさを貫くことが大事だ」と強調した指揮官。日本戦の前日会見はハプニングに直面したが、ケイロス監督は貫禄と余裕を漂わせたまま会場を後にした。(Football ZONE web編集部・大木 勇 / Isamu Oki)
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