エイリアンは地球に来ているのか? いつの時代も議論が絶えないが、実際にUFOが墜落し回収されたとされるのが有名なロズウェル事件だ。米CWが1月中旬から放送している『Roswell, New Mexico(原題)』は、その現場近くにあるニューメキシコ州ロズウェルの街で、エイリアンと研究者が恋に落ちるSFロマンスだ。

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♦居場所のない移民の娘と、居場所のないエイリアン

生物医学を研究するリズ(ジェニーン・メイソン)は、研究予算削減の憂き目に。ほかにも様々な事情が重なり、故郷であるニューメキシコ州ロズウェルに戻ってくる。父親が不法滞在者という彼女に、移民への反感が強いこの街の住民の態度は冷たい。ほどなくして銃弾に倒れてしまうが、そんな彼女の命を救ったのは、かつてリズに思いを寄せていたマックス(ネイサン・パーソンズ)だった。

郡の保安官を務めるマックスには、実は地球外から来た生命体であるという重大な秘密が。リズを治癒するためにマックスが超常的なパワーを使うと、その双子の妹イソベル(リリー・カウルズ)は不快感を露わに。街の人々に能力を知られることを恐れたもので、当然の反応とも言える。UFOが墜落したという1947年ロズウェル事件以来、街の人々は地球外生命体の話に敏感。さらに郊外の地下には、エイリアンを探索するための政府組織も存在するという。エイリアンマックスに恩義を感じるリズは、協力して生き抜くための絆を試される。

1999年作品のリブート

ロズウェル事件を題材とした過去の作品としては、CWの前身である米WBが1999年から3シーズンを製作した青春ドラマ『ロズウェル/星の恋人たち』と、その原作となった小説『Roswell High(原題)』がある。これらの両方からインスパイアされたのが本作だ、とVariety誌は分析。過去のドラマ版では主人公が白人に変更されたが、ラテン系の多く住むロズウェルの地の状況に忠実な原作小説と同様、本作の主人公リズは移民の娘という設定になっている。

このように、移民問題を大きく取り上げている点が今回のリブートの特色。この判断は賛否両論になるだろう、とHollywood Reporter誌は見る。純粋なティーンドラマを楽しみたい人には、やや不評となるかもしれない。しかし、ニューメキシコ州ロズウェルという地の特色を生かすためには、移民への言及を躊躇する意味はない、と同誌。ドラマとしての面白みもきちんと確保されており、ストーリーが少し定型パターンにはまり過ぎているものの、決して悪くはない仕上がりだ。

♦リズ役ジェニーン・メイソンはカリスマ

リズとマックスの精神的な結びつきを軸にした本作。二人の密接な関係性は過去のドラマの内容をしっかりと継承しており、同様の視聴体験を期待するファンには朗報だ。とくにリズ役のジェニーンはカリスマ的な輝きを放つ、とVariety誌は評価。17年前の過去作と比べると、本作では不可解な死を遂げたリズの妹ローザ(アンバー・ミッドサンダー)の謎など、二人の直面する課題にまつわる描写が強化されている。10代をターゲットにした過去作よりも一層成熟した、大人でも楽しめる作品だ。

製作チームには、ファンタジーホラーヴァンパイア・ダイアリーズ』とそのスピンオフオリジナルズ』を手がけたメンバーたちが多く在籍。Hollywood Reporter誌は、希望と警戒感を同時に抱かせるなど、両作品譲りのプロットの妙に感服している。主演のジェニーンはこれらシリーズへの出演歴はないものの、エネルギーに満ちた演技がひときわ目を引く。オーディション番組『アメリカン・ダンスアイドル』への登場時から注目していたという同誌は、勇敢かつ楽しげな雰囲気を放つ彼女の活躍を歓迎している。

ジェニーンの演技に注目の『Roswell, New Mexico』は、米CWで放送中。同じ製作チームによる人気作『ヴァンパイア・ダイアリーズ』は、日本からもHuluで視聴可能。オリジナル『ロズウェル/星の恋人たち』の作品情報&ユーザーレビューはこちら。(海外ドラマNAVI