財布を忘れたことに気付き途中でバスを降ろされた女性は、目的地まで歩こうとしたものの道に迷いマイナス20度の中で凍死した。このほどウクライナから届いたニュースが、『The Sun』『Mirror』などで報じられた。

1月8日ウクライナのRudnya-Knochynskaという村から、母親が入院しているウクライナ北部ジトームィル州オルヴスク(Olevsk)の病院まで行こうとした女子学生に悲劇が襲った。

ノヴォフラード・ヴォルィーンシクィイにあるメディカルカレッジ(Novohrad-Volyns’kyi Medical School)で医療を学んでいた4年生のイリーナ・ドヴォレツカさん(Iryna Dvoretska、21歳)は、クリスマス休暇ということでちょうどRudnya-Knochynskaにある実家に戻っており、母に会いに行くため早朝のバスに乗り込んだ。

しかし、イリーナさんがバスの運賃25フリヴニャ(約99円)を払えないことを知ったバスの運転手オレグ・ゼリンスキー(Oleg Zhelinskiy)は、途中で降りるように命じた。朝4時頃、周りに住居もないマイナス20度の地に降ろされたイリーナさんは、近くの村まで6.4km以上の距離を歩こうと暗い田舎道に沿って歩いていたが、近道のために森を通り抜けようとして道に迷い、つまずいて穴に落ち、出られなくなってしまった。

イリーナさんが行方不明になって2日後、自然保護官の父親がイリーナさんを捜索。そして人里離れた森の中で、イリーナさんの遺体を発見した。イリーナさんの両目は見開かれており、そこには恐怖が映し出されていたという。

イリーナさんの姉ナタリアさんによると、肺炎を患っている母親の容態が悪化しており、イリーナさんは母親に会いに行こうとバスの始発に乗り込んだが、急いでいて財布を忘れてしまったそうだ。おばのナディア・ティプチャクさん(Nadiya Typchuk)は「イリーナをバスから無理やり降ろしたバスの運転手は、人が住む地域から程遠い凍える寒さの中にイリーナをひとり残して走り去ったのです」と怒りを露わにしている。一家はこの件を警察に通報し、警察は犯罪事件として対応。運転手を含む関係者らは警察から取り調べを受けているが、運転手に有罪判決が下れば最大5年の懲役刑に科せられるという。イリーナさんの遺体は検死に回された結果、低体温症による凍死と判明した。

イリーナさんの訃報を知ったカレッジ側は「明るくフレンドリーで、思いやりのある学生だった」とその死を悼んだ。このニュースを知った人からは、「何もない場所に、しかも暗い中放り出すなんてひどい運転手だ。5年の懲役刑でも足りない」「でも、運賃を払わなかったのはこの学生で、しかも森を通って歩こうとしたのも彼女の選択だろ。運転手は単に仕事をしただけなんじゃないか?」「それにしてもこんな死に方、かわいそう」「財布を忘れたと気付いたなら、バスを降ろされてから家に取りに帰ればよかったのに…」「バスに他の乗客はいなかったんだろうか」「私が乗客だったら、代わりに払ってあげるわ。誰もそうしようとしなかったことが信じられない」といった声があがっている。

画像は『Mirror 2019年1月25日付「Student, 21, ‘froze to death after being kicked off bus for not having 68p fare’」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)

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