シティ監督3年目、プレミアの強豪を“ビッグクラブ”にしたいという野心を告白

 ジョゼップ・グアルディオラ監督は、2008-09シーズンにバルセロナの監督に就任すると、いきなりスペインのクラブとして史上初の三冠を達成した。その後も数多くのタイトルを獲得してきたが、バルセロナは4シーズン、次に率いたバイエルンは3シーズンで、チームを離れている。その理由について「マンネリを避けるため」と説明していた指揮官は現在、マンチェスター・シティでの3シーズン目を迎えている。その去就が注目を集める時期に来たが、スペイン人監督はこれまで率いていたクラブとは異なる狙いを持っているようだ。米スポーツ専門テレビ局「ESPN」に、自身の進退について語っている。

 マンチェスター・シティは26日のFAカップ4回戦で、バーンリーに5-0の大勝を収めて5回戦進出を果たした。また、ミッドウィークの23日に行われたカラバオカップ(リーグカップ)準決勝で3部バートン・アルビオン相手に1-0で勝利し、こちらも決勝進出を果たしている。

 プレミアリーグでも首位・リバプールと勝ち点差4で2位につけおり、UEFAチャンピオンズリーグ(CL)でも決勝トーナメント進出を決めているシティは、四冠の可能性を残している。グアルディオラ監督は4大会すべてを勝ち取ることは不可能だと語りながらも、シティがビッグクラブの一員になるためには毎年すべての大会に挑戦しなければならないと強調。そのためには3つのチームのようにならなければならないと語った。

「今重要なことは、1月の終わりにまだ我々がこの状況にあることだ。ビッグクラブでは、そこが大きな違いになる。この10年間で最高のチームはどこかという問いに、『ユベントスバイエルンバルセロナ。この3クラブが欧州で最高のクラブだ』と、繰り返し答えてきた。なぜか。彼らは毎年リーグで勝ち、毎年カップ戦で勝つ。毎年、そうした舞台にいる。それは彼らがベストだからだ」

 加えて、グアルディオラ監督は「我々は彼らに近づくことはできない。それはあまりに難しいことだ。しかし、最後のステージまで競争に参加して、彼らのようになりたい。幸運な時もあれば、そうではない時もあるだろう。でも、そこにいなければいけない。それが私の目標だ」と主張。シティをビッグクラブにするためにも、まだまだチャレンジしていく必要があることを明かしている。

過密日程に対する心持ちを力説「連戦をハンデだと捉えるなら、それは大間違いだ」

 4つの大会を戦い続けるということは、他のクラブよりも試合の数をこなすことを意味する。グアルディオラ監督はトロフィーを懸けて多くの試合を戦える機会を歓迎するべきだと話す。

「休みを与えることは不可能だ。私たちには多くの試合があるんだから、冗談じゃない。それが現実だ。だが、休みを与えることを拒否すると同時に、選手たちには『これは栄誉だ』とも話している。連戦をハンデだと捉えるなら、それは大間違いだ。栄誉なんだ。35歳になったら、長い休暇を取ればいい。引退してからなら、なんも問題はない。自由に休みを取ればいい。でも今、忙しいことは栄誉なんだ」

 シーズンも後半戦に入り、多くのビッグゲームを戦っていくことになるシティ。この戦術家にして、モチベーターでもある稀代の名将の下で、今後も多くの勝利を重ねていくはずだ。

「最も重要なのは、目の前の試合だ」

 グアルディオラ監督は、シティを欧州屈指のクラブにする野望を胸に、今は現地時間29日のプレミアリーグ第25節ニューカッスル戦に集中している。(Football ZONE web編集部)

マンチェスター・シティのグアルディオラ監督【写真:Getty Images】