「なんだか同じ匂いを感じます」と互いの印象を話す登坂広臣と中条あやみ中島美嘉の名曲を映画化したラブストーリー『雪の華』では、余命宣告を受けたヒロイン・美雪と、100万円と引き換えに1ヵ月だけ美雪と恋人契約を交わす青年・悠輔を演じ、観る者の胸を締め付ける。真っ直ぐに演じた切ない恋愛劇を、終始笑顔で振り返る息ぴったりの2人を直撃した。

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 早くに両親を亡くし、妹弟の面倒を見ている悠輔と、一人っ子の美雪を演じる登坂と中条だが、実際には共に姉を持つ2人兄弟。中条は「同じ匂いを感じます。2人とも絶対に末っ子体質!」と撮影を経ての実感を明かす。

 登坂も「そうだね、僕もそう思う」とうなずき、「僕はなぜかよく『絶対にお姉ちゃんがいるでしょう』と言われるんです。女性に対する接し方を早くして覚えているらしくて(笑)。悠輔は、美雪がメガネコンタクトにしてもすぐ言いませんけど、僕はわりとすぐに気づいて言いますし、髪を切っていたら、切ったねって言います」と続ける。「分かります! 登坂さんは荒っぽくないんです」と笑い合う。

 さらに中条が「登坂さんは、ちょっとイカつい見た目をしているけれど、実は悠輔と同じピュアボーイなんじゃないかと思うんですよね(笑)。純粋すぎて不器用そう…」と切り込むと、登坂は「バレた?」と照れ笑い。そして「あやみちゃんは本当に愛らしい人懐っこい方で、会う前はクールなイメージがあったんですけど、実際はチャキチャキした女の子でした」と中条の印象を語った。

 本作は、夏と冬の2回行われたフィンランドでの撮影も見どころとなっている。中でも夏のロケで撮影された「ふいに手をつないでしまうシーン」が、登坂と中条のお気に入りだという。

 「疑似恋愛で異国の地まで行って、どこか気持ちも通いつつある曖昧な関係な2人なんですけど、余命もあって素直に気持ちを伝えてくる美雪に対し、それを知らない悠輔は『期間限定の恋人契約だから』と素直に乗っかっていけない。そのドギマギしている感じを思い出します」とはにかむ登坂。中条も「ちょっと日が沈みかけたフィンランドの街を、手をつないで恥ずかしがりながら歩く…好きなシーンですね。景色もすごくキレイで」と重ねる。

 その上で中条が、「デートを終えた2人が、ホテルの互いの部屋の前で手を放して、寂しそうに自分の部屋に戻っていく場面も好き。現場では、橋本(光二郎)監督が思わず『もう付き合っちゃえよ!』って叫んでいました(笑)」と明かすと、登坂も「確かにそんなに別れ惜しいんだったら、もう付き合っちゃえよって思うよね」と笑顔でテンポよく応じる。

 もどかしい関係の美雪と悠輔だが、その始まりは、ひったくりに遭った美雪を悠輔が助けたこと。そのとき悠輔に掛けられた「声出してけよ、声!」というひと言が、美雪を動かしたのだ。

 普段は「変に『やらなきゃ!』『うお~っ!』と気合を入れるより、『いつも通りに』と思うほうがフラットになれて、自然と自分の尻を叩ける気がします」というスタンスの登坂と、それにうなずく中条。だが、美雪を演じ終えた中条は「美雪は悠輔の言葉に救われた。そのときの美雪を思うと泣きそうになります」と語る。

 登坂も「響く言葉ですよね。悠輔も美雪に言いながら、自分自身に対しても言っているのかなと感じました」と感慨深げ。中条は「日常でもついつい伝え忘れてしまってなかなか言えないことってたくさんあると思うんですけど、ちゃんと声に出して伝えていかなきゃいけないですし、そう気付かされる作品だったなと思います」としみじみと続けていた。(取材・文・写真:望月ふみ)

 映画『雪の華』は2月1日より全国公開。

『雪の華』W主演の登坂広臣と中条あやみ クランクイン!