ユニセフが支援する非公式の初等教育プログラムに通う子供たちを訪問したヘンリエッタ・フォア事務局長。(2019年1月29日撮影) (C) UNICEF_UN0276545_Htet
【2019年1月30日 ニューヨーク/ジュネーブ/ネピドー・ヤンゴン(ミャンマー)発】

ユニセフ(国連児童基金)事務局長のヘンリエッタ・フォアは、ミャンマー政府当局に対し、同国の発展と安定を支えるより強固で調和のとれた社会を構築するために、すべての子どもたちへの投資を強く要請しました。

フォアは、首都ネピドーでは政府関係者と、ラカイン州では子どもたちやその家族と面会し、3日間のミャンマー訪問を終えたばかりです。「この国では、12万人以上の子どもたちが今も教育や保健、保護といったサービスが乏しい劣悪な環境のキャンプで暮らしています。同時に、55%の子どもが貧困状態にあります」とフォアは述べました。「今こそ、宗教、民族、市民としての立場にかかわらず、ミャンマーの最も厳しい状態にある子どもたちに投資をするときです」

フォアは、アウン・サン・スーチー国家顧問にこうしたメッセージを伝え、人道支援のアクセスを確保すること、そして紛争の影響を受けている農村部の子どもたちを含め、すべての子どもたちへの基本的サービスの質を高め拡大することが急務であることを強調しました。彼らはまた、社会の団結や平和、繁栄を育む上で教育が果たす重要な役割についても議論しました。

また、セインウィン国防大臣とも面会し、軍による未成年の徴兵や子どもの使用をなくすための取り組みの成果を評価した上で、子どもと武力紛争に関する国連事務総長年次報告にミャンマー軍が記載される原因となった、新たな2つの重大な子どもの権利侵害に対処する行動計画を採択するよう要請しました。

ネピドーで出席したハイレベル・フォーラム「すべての子どものためのミャンマー開発構想の実現」において、フォアは、この数年の成果に光を当てつつ、10代の若者への職業訓練やライフスキル教育などの課題に対応するための広範囲のパートナーシップを呼びかけました。また、ミャンマー持続可能な開発計画における子どもに焦点を当てた項目の実現を支援することを約束しました。
ラカイン州・シットウェの国内避難民キャンプで遊ぶ子どもたち。(2019年1月29日撮影) (C) UNICEF_UN0276544_Htet
そして、ラカイン州では、様々なコミュニティの子どもたちがどのように暴力や地域社会の緊張の影響を受けているのかを自身の目で確かめました。

「訪問したキャンプの一つは、当初一時的な仮設住居として作られましたが、人々はそこですでに6年間も暮らしています。キャンプに閉じ込められた人々は、生計を立てる手段を奪われ、子どもたちは栄養不良になっています。幼い子どもたちは、そのような制限された生活しか知らないのです」(フォア事務局長)

カイン州の州都シットウェにあるミンガン地区では、2012年の衝突以来、国内避難民となっているラカイン族のコミュニティで、初等教育を受けたことがなかったり中途退学してしまった子どもを対象に行っている、ユニセフの支援による非公式の初等教育プログラムの場も訪問しました。

カイン州中部では、2012年に発生した暴力によって、12万6,000人の国籍をもたないロヒンギャの人々を含む12万8,000人のイスラム教徒が、いまだキャンプキャンプのような居住区で暮らしています。そのうち、少なくとも53%が子どもです。さらに、避難民とはなっていないものの、国籍のないロヒンギャの人々47万人が、10の町に分散して暮らしています。また同州北部では、アラカン軍とミャンマー軍との紛争が悪化し、1月初旬に政府よりアクセスの制限が通達されたことで、5つの町の子どもたちに影響が出ています。

そして国境を超えたバングラデシュには、100万人近いロヒンギャ難民の人々がいます。フォアはミャンマー政府と軍に対し、ロヒンギャの人々が安全に、自発的に、尊厳を守られた形で帰還できるよう、必要な段階を踏んだ対応を呼びかけ、ロヒンギャの人々の窮状に対する持続的な解決策、つまりミャンマー国内の危機の根本原因に対処することを強く求めました。

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