2月3日といえば節分である。節分になると豆をまく。幼い子どものいる我が家では、筆者が鬼の役をやり、子どもたちに全力で豆を投げつけられるので結構嫌だ。割と痛いのだ。

しかし、当たり前のように毎年「もう節分かー」などと言っているものの、実際のところ節分について詳しく知らない自分がいる。このままでは豆を投げ終わった子どもに「っていうか節分って何なの?」と聞かれた場合、非常に困ることになる。

色々学んでおこうと思い、節分に関する情報について「教えて!gooウォッチ」で探してみたところ、以下の3つが発見されたので紹介したい。

恵方巻き、食べきれない場合は?

ここ数年、節分といえば「恵方巻き」というイメージがすっかり世間に定着したように感じる。「恵方」とされる方角を向いて太巻きを食べるという、よく考えたら結構シュールな儀式だが……。

「恵方」とは「歳徳神がいる方角」だという。ビジネスマナー講師の桜美月さんによると「歳徳神(としとくじん)とは、陰陽道でその年の福徳をつかさどる神様で歳徳、歳神とも呼ばれています」とのこと(教えて!gooウォッチ「実は節分は年に4回あった!?恵方巻き、食べきれないとどうなる?節分豆知識」より)。

ちなみに2019年の恵方は東北東。例えば、この方角を向かずに恵方巻きを食べたらどうなるのだろうか。

恵方巻きは、『七福神』に見立てて7つの具材(福)を巻き込むといわれていますので、方角を向かないということは、歳徳神のいる方角ではないので意味がありません」(桜さん)

当然のことか。きちんと恵方を向いて食べないとご利益が無いようだ。最近売られている恵方巻きはかなり太くてボリュームがある。食べ残すのはよくないのだろうか。

「途中で食べきれない場合は、無理をすることはありません。食べきれないと思う時は、『細巻き』を選ばれるといいですね」(桜さん)

理をしなくていいそうである。「太ければ太いほど縁起がいい」というわけではないそうなので、食べられるサイズのものを選ぼう。

■関西には節分に鰯を食べる風習がある

恵方巻きのルーツは関西にあると言われているが、関西の節分には別の風習もある。節分に鰯を食べ、食べ残した頭を柊(ひいらぎ)と一緒に玄関先などに飾るというものだ。桜美月さんによるとこの風習には深い意味があるそうだ(教えて!gooウォッチ「節分になぜ鰯を食べるのか?」より)。

「とがった柊の葉っぱは、鬼の目を刺すと言われており、鰯の頭は『鰯の頭も信心から』ということわざがありますが、鰯の頭のようにつまらない物でも、魔除けになると信じている人にとっては、ありがたいものになるというのが由来です。また鰯を食べる風習は、鰯を焼くときに出る煙と臭いが関係しています。鬼は鰯の臭いをきらっており、鰯を焼くことで出る煙と臭いで、鬼が家に寄りつかないようにするためです。すなわち、邪気が家に入り込まないように追い払うために、鰯を焼いて食べるんですね」(桜さん)

この「柊鰯」、地域によっては2月いっぱい飾ったりする場合もあるそうだ。鰯の頭が出迎える光景はちょっと怖くもあるが、邪気を払う意味をもった大事な風習なのである。

■たかが豆とあなどるなかれ!意外と起きやすい事故

冒頭でも書いた通り、節分の風習として最もポピュラーなのは豆まきだろう。まいた豆は縁起物なので「歳の数だけ食べるといい」などと聞いたことがあるが、注意しておきたいのは幼い子どもが豆を食べる際のこと。喉に詰まるケースが多いのだ。

慶友銀座クリニックの大場俊彦先生によると10歳以下の子どもが喉に詰まらせるものの8割以上が豆類なのだとか(教えて!gooウォッチ「気を付けて!節分で子どもに起こる豆の事故」より)。

「食べた豆は、通常食道に入りますが、歯が未発達な子供だと、うまくかみ砕けず、何かの拍子で気道にはいってしまうことがあります。ある研究では0歳から10歳までの子どもでは気管支異物の8割以上が豆類との報告があります。豆は時間がたつとふやけて、除去しにくくなります」(大場先生)

そう聞くとかなり怖い感じがするが、どうすればこのような事故を防げるのだろうか。

「特に2歳以下のこどもに気管支異物が多いことが報告されております。こどもは豆を口に入れて食べようとするだけでなく、鼻に入れてしまうこともあります。鼻の奥に入れて、何かの拍子にのどから気管支に入ってしまうことがあります。小学校に上がる前までは、こどもに豆(または豆状のもの)をあたえない、近くに置かないことです」(大場先生)

恵方巻き」や「柊鰯」と同様、古くから伝わる風習である「豆まき」だが、せっかくの一日が台無しになってしまわぬよう、子どもには十分注意を払っておくようにしたい。

教えて!goo スタッフ(Oshiete Staff)

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