スペイン紙が選出した、クラブに大金の支払いを認めさせた選手たち

 バルセロナは、来シーズンからアヤックスオランダ代表MFフランキー・デ・ヨングが加入することを発表した。このクラブのアイデンティティーと言えば、アルゼンチン代表FWリオネル・メッシや元スペイン代表MFアンドレス・イニエスタ(現ヴィッセル神戸)といった下部組織出身の“生え抜き”だが、時折巨額を投じて大型補強するクラブとしても知られている。スペイン紙「マルカ」は、バルセロナに大金の支払いを認めさせた選手をピックアップ。バルセロナにおける「エキサイティングな移籍加入10選」として、巨額の移籍金が発生して入団した10人の選手をトップ10形式で紹介している。

 まず、10位にランクインしたのが元フランス代表FWティエリ・アンリアーセナルの大エースとして君臨した後、2007年にバルサの一員となった。3シーズンにわたってプレーし、08-09シーズンにはUEFAチャンピオンズリーグ(CL)、リーガ・エスパニョーラ、国王杯を制するクラブ史上初の三冠獲得に大きく貢献した。

 続いて9位に選ばれたのが、現在パリ・サンジェルマンPSG)に所属するブラジル代表DFダニエウ・アウベスだった。チェルシーもしくはレアル・マドリードの獲得が濃厚と見られたなか、08年夏にセビージャから移籍を果たした。右サイドで不動の位置を築き、各監督の下で主力を張り続けた。下部組織育ちのメッシは特別として、それを除く外国籍の選手で最も多く試合に出場した選手となっている。

 8位は、現在LAギャラクシーに在籍する元スウェーデン代表FWズラタン・イブラヒモビッチが選出された。ジョゼップ・グアルディオラ監督がポゼッションに高さをもたらそうと、09-10シーズンに加わった。しかし、当の指揮官との“冷戦関係”に陥り、リーグ戦16得点を挙げたが1シーズンでイタリアへと戻っていった。

6位は異質な出戻り移籍 5位と6位はMSNを形成した2人

 7位は今季からヴィッセル神戸に在籍し、戦いの場を日本に移した元スペイン代表FWダビド・ビジャだ。10-11シーズンにバレンシアから加入。在籍時はまさにキャリアのピークにあり、5-0と大勝したレアルとのクラシコでの2ゴール、CL決勝でのダメ押し点でバルサに歓喜をもたらした。

 6位は異質で、出戻り移籍のパターンが取り上げられた。現在モナコプレーする元スペイン代表MFセスク・ファブレガスは、16歳バルセロナの下部組織からアーセナルへと移籍。下部組織で同期だったメッシ、DFジェラール・ピケら“花の87年組”とともにプレーすることを夢見て、11年に再びバルセロナの地に戻ってきた。しかし、当時はイニエスタとMFシャビ・エルナンデスというカンテラの先輩が絶対的で、期待値を超えるような存在感を放てなかった。

 5位は現在もバルセロナで活躍するウルグアイ代表FWルイス・スアレスが選ばれた。さまざまなFWを獲得してきたなか、メッシの相棒として最適解となったのがスアレスだった。14年7月に加入するも、ブラジル・ワールドカップ(W杯)での“噛みつき事件”による出場停止処分で10月までプレーできなかった。その後は「MSNトリオ」の一角として得点を量産。32歳になった今も最前線に君臨する。

 4位となったのは、現在PSGの絶対的なエースとして君臨するブラジル代表FWネイマールだった。多くのビッグクラブによる争奪戦の末、13年に入団。翌年に加入したスアレスメッシとともに最強の攻撃トリオMSN”を結成した。しかし、“メッシ以上”の最高の存在になることを求め、17年夏に世界最高額の移籍金2億2200万ユーロ(現在のレートで約278億円)でPSGへと移籍した。

トップ3はすべて1年以内の移籍話 すべては“ネイマール・マネー”が関係する?

 3位は、ネイマールの穴埋め役として獲得に至ったフランス代表FWウスマン・デンベレだ。17年夏に1億500万ユーロ(現在のレートで約131億円)+ボーナスという条件でドルトムントから移籍。当初はバルサのスタイルに馴染めなかったが、今季はゴールを量産して潜在能力を発揮しつつある。

 そして2位となったのは、“ネイマール・マネー”で獲得したブラジル代表MFフィリペ・コウチーニョだった。ネイマールの放出によって得られた移籍金を投資し、18年1月にリバプールから獲得。シーズン途中での加入となったコウチーニョだったが、合流直後から堂々たるプレーを見せてきた。しかし、今季はデンベレの陰に隠れる形に。“ポスト・イニエスタ”として期待されたが、在籍1年を経過しても最適なポジションを見つけきれていないとも言える。

 最後に1位として選ばれたのが、デ・ヨングだ。移籍金7500万ユーロ(約94億円)+1500万ユーロ(約19億円)のボーナスバルサへの入団が決まった。デ・ヨングには、スペイン代表MFセルヒオ・ブスケッツの後釜としての期待がある。下部組織から中心となる選手が育っていないバルセロナは、21歳と若いデ・ヨングにクラブの将来を担う役割も期待する。デ・ヨングは投資に見合う活躍をしてくれるのだろうか。半年後が楽しみである。(Football ZONE web編集部)

(左から) FWスアレス、FWネイマール、FWビジャ、FWイブラヒモビッチ【写真:Getty Images】