緊急通報とは犯罪を目撃したり、病気や怪我などの命に関わる緊急事態に直面した時にかけるものだが、いつまで経っても緊急通報を乱用する人は後を絶たない。このほどイギリスで、緊急ではない事態で通報をした挙句、逮捕された男のニュースが『Mirror』『Metro』などで伝えられた。

グレーター・マンチェスターのアザートに住む保険会社勤務のレズリー・マクドナー(53歳)は、昨年12月21日にマクドナルドへ立ち寄った。そこでビッグマックを注文したのだが、玉ねぎが入っていたことが原因で緊急通報した挙句に店のマネージャーと口論になり、駆けつけた警察官にまで暴力を振るった罪で逮捕された。

この日はクリスマス前の最後の金曜日「Mad Friday(マッド・フライデー)」で、休暇前の仕事終わりを祝う人々が飲みに繰り出すことで1年で最も忙しい夜となっていた。そしてこの日が結婚記念日だったレズリーは午後10時半頃、マンチェスターにある職場でのクリスマスパーティーを早めに切り上げて妻が待つ家に帰宅しようとしたが、途中で小腹が空いたためにマンチェスターのシティーセンターにあるマクドナルドへと立ち寄った。

深刻なアレルギー疾患を抱えるレズリーは、ビッグマックを注文する際に「玉ねぎ抜きで」と店員に頼んだにもかかわらず、玉ねぎが入っていることに気付いた。レズリーはパーティーでビール6缶を飲んで酩酊状態になっており、「注文と違う不適切な対応をした」と逆上、緊急ナンバー「999」へ通報し、店のマネージャーに喧嘩を吹っ掛け「表に出ろ」とけしかけた。

レズリーがマネージャーに殴りかかろうとしていたところへ警察官が到着し、彼らはレズリーを店外へ促そうとしたが、床に倒れたレズリーに脚を掴まれた。警察官はもみ合いながらレズリーを取り押さえようとしたが、顔に唾を吐きかけられ、レズリーは逮捕となった。

今年1月31日にマンチェスター治安裁判所で行われた裁判では、レズリーの弁護人が「玉ねぎを入れないでほしいと注文したにもかかわらず入れられたことから口論になった。依頼人は、店の対応が適切ではないと感じた。依頼人は当時酔っていたため出来事を明確に覚えていないが、犯した行為については恥じており、計画的攻撃ではない。また、依頼人は暴力的な人間でもない」と擁護した。レズリー自身も「全く持って恥ずかしいことをした」と反省の言葉を口にしたようだ。結果として警察官に暴行を加え、酔って公共の場所で無秩序な行為に及んだ罪を認めたレズリーには、190ポンド(約27,000円)の罰金と120時間の無収入労働および12か月間の地域奉仕活動命令が言い渡された。

レズリーの件が起こる数週間前、メトロポリタン警察は昨年1月1日11月30日までの間に999のオペレーターが受け取った不適切な通報は21,733件にも上ることを発表していた。中には「KFCチキンを切らしていた」「朝食のサービスが遅い」「バスの運転手が運転中に口笛を吹いた」などという呆れた内容のものが含まれていたそうだ。

このニュースを知った人からは「ちょっと待って。アレルギー疾患の人に玉ねぎを入れたマクドナルドは罰せられないのか。命の危険もあるのに」「それにしてもだからって緊急通報するなんて。999オペレーターも大変だよね」「190ポンドの罰金か。ビッグマックも高くついたな」「とんだ結婚記念日になって、奥さんかわいそう」といった声があがっている。

画像は『The Sun 2019年2月2日付「MAC THE STRIFE McDonald’s customer arrested for dialling 999 after fast-food worker put onions in his burger」(Credit: CAVENDISH PRESS)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)

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