働く堅実女子のためのビジネスで役立つマナー、今週は野崎れい香さん(仮名・営業・32歳)からの質問です。

「社外の仕事関係者の方と同席したとき、“おたくの上司ってせっかちで短気じゃない?”と言われました。冗談めかしだったのですが、実は私も上司のことをイラチだと思うことがあり、激しく同意!と思ったのですが、相手はお客様だし、一緒に悪口で盛り上がるのもまずいかなと思って……。ニヤニヤするしかできなくて、結果的にその場の雰囲気が微妙な感じになってしまいました。こういうケースのとき、どのように会話すればよいのでしょうか」

関係が密でない相手ほど共通の人の悪口がいちばん盛り上がる、なんて話もよく聞きますし、常日ごろ「こいつめ……」と思っている人物の悪口を言われると、つい心が緩んでうっかり口が滑ってしまいそうになりますよね。とはいえ、内緒話が通用しないのが会社です。悪口厳禁。では、自分の上司の悪口を言われたとき、どのように対応するのが正解でしょうか。鈴木真理子さんに聞いてみましょう。

☆☆☆

まずは上司が不愉快な思いをさせたことを謝罪

どんなに社外の仕事関係者と仲がよかったとしても、あくまでもあなたは、ご自身がお勤めしている会社の一員としてその人と接してるわけです。プライベートでお付き合いをしているお友達ではありませんね。常に、会社を背負っているのです。発言には十分気を付ける必要があります。

一方、相手方にとって、あなたの上司はあなたと同様、取引先の会社の一部という認識です。つまり、あなたと上司はセットということです。悪口に同調して盛り上がってはいけません。「ですよね(笑)」くらいならまあ許せる範囲ですが、そのあとには「悪い人ではないんですけどね……」といったさりげないフォローにまわるのが正解です。

そして、相手方には「そのような思いをさせてしまい、申し訳ございません」と謝罪するのがビジネスマナーです。

悪口ではなくクレームを入れられていると思うべし

例えば、容姿について、服のセンスについてなど、あからさまな悪口であれば別ですが、今回のケースのように、せっかちで短気といった性格的な指摘の場合、業務を急かされて不愉快、一緒に仕事をしたくない、という気持ちがあるのではないでしょうか。

そして、あなたに話すということは、頼りにしているという証拠です。「何かお困りのことがありましたか」と事情を聞き、「またお困りごとがありましたら、なんなりと私までおっしゃってくださいね」と相手の要望を受けとめる姿勢を見せましょう。

先方は、あなたがその上司に直接「A社の〇〇さんが、せっかちで短気だから困るって言ってました。そういうの、止めてくださいッ」など告げ口することは望んでいないでしょう。たとえば、アポイントをすっぽかされた、何度頼んでも仕事をしてくれないといった場合にも、あなたがさりげなく催促するなどといったフォローができますよね。今回のケースでも、上司に「課長のお手を煩わせることになりますので、私からA社の〇〇さんにご連絡しておきます」など提案し、直接コンタクトを取らせないという手も考えられます。

会社として、今後注意が必要という内容であれば、部長など、もっと上の上司の耳にいれておきましょう。相手がニコニコしているうちが花です。あなたが何も対応しないままでいれば、あの人たちどうしょうもないなという話になり、最悪、契約打ち切りといった事態にもなりかねません。

気さくに話してもらえるのは、あなたの強みといえます。ぜひともそれを生かしましょう。

悪口に乗じていいことはひとつもない。

賢人のまとめ

外の人があなたに上司の悪口を言うのは、あなたを信用し、期待している証拠と考えられます。仕事内容にかかわるクレームであれば、あなたに改善してほしいということです。上司への指摘があったにもかかわらず、放置しておけば契約が打ち切られる可能性も。先方には上司の人間性をフォローしつつ、業務がスムーズになるよう取り組んでみてください。

プロフィール

女子マナーの賢人 鈴木真理子

三井海上(現・三井住友海上)退職後、“伝える”“話す”“書く”能力を磨き、ビジネスコミュニケーションインストクターとして独立。セミナー、企業研修などで3万人以上に指導を行う。著書は『ズルいほど幸せな女になる40のワザ』(宝島社)のほか、近著『仕事のミスが激減する「手帳」「メモ」「ノート」術』(明日香出版社)、『絶対にミスをしない人の仕事のワザ』は7万部を超えるヒットとなる。 

(株)ヴィタミンMサイトhttp://www.vitaminm.jp/

関連画像