2月4日SKE48大宮ソニックシティ(大ホール)で「かおたんSKE48 リクエストアワー セットリスト25」と「SKE48 松村香織 卒業コンサート 〜これで終わると思うなよ?〜」を開催した。

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 松村香織さんは09年11月にSKE48第3期オーディションに合格し、炎上キャラとして唯一無二のポジションを確立。13年に“終身名誉研究生”に就任し、14年には”AKB48グループ研究生会会長”に就任するなど、後輩の研究生たちの育成にも取り組んできた。15年に正規メンバーに昇格してからも独自の路線で突き進んできた。AKB48グループ最年長、29歳の松村さんの卒業イベントはどちらも規格外の内容となっていた。

■ 「かおたんSKE48 リクエストアワー セットリスト25」

 昼公演の「かおたんSKE48 リクエストアワー セットリスト25」は、そのタイトル通り、松村香織さんがAKB48グループ、乃木坂46欅坂46を含む1441曲の中から独断で決めた25曲をカウントダウン形式で発表するコンサート。ランキング発表前のオープニングは、松村さんを含む出演メンバー61人全員がいきなり2階席から現れるというサプライズ的なスタートとなった。バレンタインデーが近いということで、「チョコの奴隷」「チョコの行方」を歌いながら、客席のファンにメンバーがチョコレートを手渡すというさらにうれしいサプライズも用意されていた。

 どんなランキングになっているのかファンが注目する中、25位の楽曲が発表されると会場から大きなどよめきが。1位に選ばれるのではないかと思われていた「マツムラブ!」が早くも登場。「マツムラブ!」で盛り上がった勢いで、その後「バンジー宣言」「ロマンス、イラネ」「野蛮な求愛」が披露された。MCコーナーでは1月17日SKE48劇場の特別公演として行われた「ポスト松村香織決定戦」においてケツバットが決め手となって優勝した白井琴乃さんに松村さんから記念バットの贈呈が行われた。さらに、「R-1グランプリ」を2回戦で敗退した福士奈央さんが、握手会をネタにしたコントを披露し、会場は大きな笑い声で包まれた。

 19位に「あうんのキス」、16位に「恋を語る詩人になれなくて」、15位に「片想いFinally」といったSKE48の楽曲がランクイン。14位にはユニット“てんとうむChu!”の「君だけにChu!Chu!Chu!」が選ばれ、ユニットのオリジナルメンバーの北川綾巴さんが、井上瑠夏さん、野島樺乃さん、小畑優奈さん、竹内彩姫さん、日高優月さん、後藤楽々さんと披露した。そして13位の「ハロウィン・ナイト」では、この楽曲の選抜メンバーだった高柳明音さんと一緒に、昨年の大晦日公演でお披露目された9期生が初々しいパフォーマンスを披露。

 11位は欅坂46の「不協和音」。21人のメンバーで激しいダンスを披露し、センターを務めた小畑さんが「僕は嫌だ!」と叫ぶ。その迫力あるパフォーマンスに会場は大いに盛り上がった。6位の「初日」は、松村さんが6期生メンバーと歌唱。この時、松村さんの目に涙が。5位は松村さん、須田亜香里さん、谷真理佳さんによる「恋よりもDream」。「3人でユニットをやれて幸せ。個性の強いメンバーでユニットができてうれしいし、二人がいなかったら、私はこういう立ち位置でできなかったし、本当に支えてもらいました」と松村さんが二人に感謝の気持ちを伝えた。4位は「僕は知っている」、そして3位にはAKB48チーム8の「47の素敵な街へ」が選ばれ、愛知県出身以外のメンバーで披露。2位は「ぜひファンの人に覚えてほしい」という松村さんのお気に入りの曲「Vacancy」。

 そして映えある1位は「ひこうき雲」。メンバー全員で歌い、タオルを回して会場に一体感を生み出した。アンコールで「ヘビーローテーション」「パレオはエメラルド」「SKE48」を歌唱し、昼公演を締めくくった。

■ 「SKE48 松村香織 卒業コンサート 〜これで終わると思うなよ?〜」

 夜公演は「SKE48 松村香織 卒業コンサート 〜これで終わると思うなよ?〜」。どこかで見たようなクリニックのCMのパロディ映像が流れ、ヘリコプターで到着するという演出で登場し、「マツムラブ!」で卒コンがスタートした。歌詞の内容を松村さん用にアレンジした「チームかおたん推し」では、ほかのメンバーが「干されのカリスマ」「ダンスを覚えない」といったメッセージで松村さんを次々とイジっていく。9期生が「オキドキ」をパフォーマンスしている間、「踊る体力がないから」と松村さんは2階席やアリーナ席を回り、ファンとのコミュニケーションを楽しんでいた。

 松村さんと江籠裕奈さんが古畑奈和さんを取り合う「おしべとめしべと夜の蝶々」、姉妹グループからの移籍組(大場美奈さん、山内鈴蘭さん、谷さん)による「Only Today」、須田亜香里さんとのユニット曲「ここで一発」、松井珠理奈さんとダンスバトルを展開した「Escape」など、ユニットコーナーでもかおたんワールド全開でファンを喜ばせた。

 中盤には、松村さんの激動の半生をコントで再現する企画も。グループ加入前にさまざまなところで働いていた経験が、その後のグループでのアイドル活動に生かされていることを示し、メイド喫茶のお客役で出演したトレンディエンジェルたかしさんと「二人はデキテル」をデュエットした。

 後半戦、「思い出のほとんど」の時に、松村さんと親交が深い卒業生の出口陽さんと金子栞さんが駆けつけ、うれしい再会に松村さんは目を潤ませていた。「夏代、急げ!」「コケティッシュ渋滞中」などを披露した後、松村さんの大きな転機となった曲「ぐぐたすの空」で本編を締めくくった。

 アンコール卒業ソング「ありがとうは言いたくない」から始まった。大場さんが「かおたんSKE48からいなくなるのが想像できない。SKE48のために頑張ってくれてありがとう。お疲れ様」と涙ながらに感謝の気持ちを伝え、みんなで「支え」「アリガトウ」を歌唱。「みなさん、本当にありがとうございます。みなさんがいたから今の私があります。SKE48人生は一生の宝物です。皆さんに出会えてよかったです。皆さん本当にありがとう」と神妙な面持ちで松村さんが挨拶した直後、ステージの床が抜け、落とし穴に落ちるというサプライズが用意されていた。粉まみれになった松村さんに、高柳さんは「そんなにキレイに終わると思った?」と言って、卒コンのサブタイトル「これで終わると思うなよ?」が、これまで松村さんに振り回されてきたメンバーやスタッフからの隠れたメッセージだったことを明かした。

 しんみりしたムードが一転したところで、最後は「アイシテラブル!」を歌い、「本当に、これでこそ松村香織のコンサートだと思いました!本当に幸せ者です!やり切って悔いはありません!ありがとうございました!」と笑顔で感謝の気持ちを伝えて卒業コンサートの幕が下ろされた。

取材・文=田中隆信(東京ウォーカー(全国版)・ウォーカープラス/野木原晃一)

「SKE48 松村香織 卒業コンサート 〜これで終わると思うなよ?〜」より