今回はうにうにさんのブログ『今日もシンガポールまみれ』からご寄稿いただきました。
http://uniunichan.hatenablog.com/entry/20190121TiramisuHero

シンガポール居住者が見た”ティラミスヒーロー商標騒動”(今日もシンガポールまみれ)

おもしろブランド

うにうに @ シンガポールウォッチャーです。
日本には、「面白い恋人」(「白い恋人」を販売する石屋製菓と和解)や、「フランク三浦」(フランクミューラーとの訴訟に勝訴)というおもしろブランドがあります。
シンガポールにも、ウンチクを語れるブランドがあります。最も有名なのは、破竹のグローバル展開を続けている、”1837″というロゴで有名な紅茶ブランドのTWGでしょう。TWGはトワイニングとは関係ありませんし、1837は創業年でもありません。

シンガポールの紅茶: TWG Teaで お洒落雑誌が書かない4つのこと」2013年05月15日『今日もシンガポールまみれ
http://uniunichan.hatenablog.com/entry/2013/05/15/181608

 

“ティラミスヒーロー商標騒動”

ティラミスヒーロー

TWGほどの大物ではありませんが、シンガポール発で日本に展開していた”ティラミスヒーロー”が、脚光を浴びる日がやってきました。
ティラミスヒーロー*1 は、シンガポールでは常設カフェティラミスを販売しています。2012年シンガポールで始まり、2013年に日本に進出、2014年百貨店などでのスポット販売を開始しています。
シンガポールでの法人登記を取り寄せて確認しました。2012年にはパートナーシップで THE TIRAIMSU HERO 社が作られていますが、2015年に解散。2013年に非公開有限責任会社で HERO Holdings PTE. LTD. 社が作られており、これが現在の運営会社になっています。シンガポール人のみが役員をつとめ、シンガポール人のみが株式を持つ、シンガポール企業です。

*1:『株式会社ティラミスヒーロー
https://thetiramisustar.com/company/

ところが、ティラミスヒーローは、『オリジナルブランドロゴがコピーされたため』に「ティラミススター」と商標を変えることを2018年末に発表しました。

2012年シンガポールでつくったオリジナルブランドロゴがコピーされ只今日本で使用できなくなってしまいました。私達の大好きな日本でこのような事がおき大変残念に思っています。でもアントニオは負けません!オリジナルの味を引き続きお届けする為に頑張ります(*•̀ㅂ•́)وわ

 
HERO’S

2019年1月20日に、高田雄史氏が経営にたずさわるティラミスブランドHERO’S」がオープン。その商品コンセプトキャラクターが、ティラミスヒーローに酷似しているとネットで指摘を受ける騒ぎになっています。高田雄史氏はふわふわパンケーキ店「gram」の経営者でもあります。

シンガポール発祥の「ティラミスヒーロー」が勝手にロゴをコピーされ改名させられる事態に」2019年1月21日togetter
https://togetter.com/li/1310805

「「ティラミスヒーローブランドロゴ使用不可で改名 「HERO’S」にパクリの指摘殺到、取材には「担当者不在」」『BIGLOBEニュース
https://news.biglobe.ne.jp/trend/0121/blnews_190121_7071178136.html

この「HERO’S」が三浦翔平氏*2 やインスタグラマーを使って、華やかな初出店記念イベントを行ったことで、かえってティラミスヒーローが注目を浴びました。

*2:「三浦翔平、驚異的サービス精神で記者とりこに 妻・桐谷美玲との新婚生活自ら語る」『ORICON NEWS
https://www.oricon.co.jp/news/2127666/

 

商標登録

ティラミスヒーローが商標登録をしていなかったため、後発の「HERO’S」が登録できたためでは、と指摘を受けています。

ティラミスヒーロー
ティラミスヒーローズ
両方とも商標取りに行ってるやん
本家が審査待ちって… pic.twitter.com/a2dc4vpqYH

 

さらに本家WEBサイトでヘッダー部に使われている猫さん寝そべりロゴがgramにより2017年12月8日出願→2018年8月17日登録。この会社はパンケーキのFC展開してるそう。で今問題になってる株式会社HERO’Sとgramの代表取締役は同じ方ですね

私も食べたことがあって、気になって調べてみたら、「ティラミスヒーロー」の商標は係争中っぽいですね。ただ、商標は「どういう商品に適用される商標か?」という区分があり、「飲食店で提供される飲食物に関する情報提供」等では既にgramさんの方で商標取得している模様。

フランチャイズの募集広告で「HERO’S」は、商品名に「ティラミスヒーロー」との記述を用いています。

HERO’Sがプロデュースするティラミスヒーローの客単価は最低2800円。

アントレ: 株式会社HERO’Sのココに注目! フランチャイズ
https://entrenet.jp/00/0000100682/closeup.html

 

知られていなかったことで、逆に在シンガポール日本人の知名度を得たティラミスヒーロー

そんなティラミスヒーロー2014年に日本の百貨店で販売を開始した際には、シンガポール在住の一部日本人に注目されました。

日本では現在、オンラインショップでのみ販売されているが、注文が殺到しているため3か月待ちなのだそう。今回の出店は、人気商品が手軽に買える貴重な機会となっている。

えん食べ: 3か月待ちの「極上ティラミス」が新宿で買える! シンガポールの有名店「ティラミスヒーロー

「3か月待ちの「極上ティラミス」が新宿で買える! シンガポールの有名店「ティラミスヒーロー」」2014年04月28日『えん食べ』
https://entabe.jp/news/article/4574

注目されたのは、

・『シンガポールの有名店』
オンラインショップでは、注文が殺到し3か月待ち。それが期間限定ショップでは即買いできる。

というモリモリな記事が理由です。期間限定店舗の出店のたびに、ティラミスヒーローの記事が、特定のウェブメディアで繰り返しでましたが、広告記事の表記はありません。
シンガポールの有名店なのに、現地在住日本人シンガポール人も知っている人は (少なくとも当時私の周囲には) おらず、「ネット通販だと3ヶ月待ちってなに?」ということです。
あたかも「ニューヨークの有名店」のキャッチコピーのように、シンガポールが引き合いに出されていることに当時は感慨を覚えたものです。7年の営業を経て、認知度は上がってきていますが、現時点で店舗は1つのみ*3 です。

「FAQs」『The Tiramisu Hero
*3:https://thetiramisuhero.com/faq/

カフェ好きだと知っている人もいる」「(日本でのプロモーションのため) 地元民より日本人に知られている」程度の認知度と認識しています。シンガポール関係者で、「ティラミスヒーローシンガポールで有名」という人に私は会ったことがありませんが、「(日本のプロモーションの経緯で知ってはいるが) シンガポールで有名でない」という人は少なからずいます。リンクを提示します。

(1)
https://twitter.com/studySingapore/status/1087741325468811264
(2)
http://b.hatena.ne.jp/entry/4663477850797540289/comment/m_h
(3)
https://twitter.com/Seina/status/1087717285081608194
(4)
https://twitter.com/Mo_CoTD/status/1088059697758793728
(5)
https://twitter.com/23net/status/1087663112830869504

そして、ネット通販で3ヶ月待ちだったのが4ヶ月にまでのび*4 、いったい一日にいくつ出荷しているのかと記事中を探しましたが、見つけることはできませんでした。ネットで待っているお客様を後回しにして、期間限定店舗を優先して商品をおろし続ける理由も不明です。

*4:「うにうにさんのツイート」『Twitter
https://twitter.com/uniunichan/status/591409202779815936

君はシンガポールのティラミスヒーロー本店に行ったことがあるか

ぬこはかわいい、味はふつう

ティラミスヒーロー「在住者が知らない有名店」として逆に知名度をえて、訪問者があらわれる事態にまでなります。私もその一人でした。
私が訪れたときには、シンガポールの店には並ぶことなく入れ、キャラクターの猫のアントニオは可愛く、ティラミスの味は私には普通でした。

で、頼んだのが紹介されていたこれ。ティラミス、$7.5。 高い、猫のボトルがかわいい。 味は、、、ふつう… 日本にはもっとうまいティラミスがいっぱいあると言うか、私が日本人味覚なからか… わざわざ行くほどじゃ… http://twitpic.com/e2epr6

ツイッタータイムスタンプのように訪問は2014年

5年にわたってティラミスヒーローの日本でのマーケティングをウォッチしてきた身としては、同情する部分もありますし、商標とマーケティングは別件ですが、これまで御社もおもしろマーケティングをしてましたからねぇ、というのが感想です。「HERO’S」の商標取得も、ティラミスヒーローのマーケティングも、制度や法的には問題ないのでしょうが、倫理的な問題や誠実さの面ではどうでしょうか。制度をついた商標取得も、誇張した広告も、不誠実であり両者改めて欲しいと願います。

筆者への連絡方法、正誤・訂正依頼など本ブログのポリシー
http://uniunichan.hatenablog.com/entry/Contact

にほんブログシンガポール情報
https://overseas.blogmura.com/singapore/

 
執筆:うにうにさん
この記事はうにうにさんのブログ『今日もシンガポールまみれ』からご寄稿いただきました。

シンガポール居住者が見た”ティラミスヒーロー商標騒動”」『今日もシンガポールまみれ』
http://uniunichan.hatenablog.com/entry/20190121TiramisuHero

寄稿いただいた記事は2019年2月4日時点のものです。

―― やわらかニュースサイトガジェット通信(GetNews)』
シンガポール居住者が見た”ティラミスヒーロー商標騒動”(今日もシンガポールまみれ)