Japaaanでは以前、花札遊びが由来になっている日本語についていくつか紹介しました。

花札に限らず、賭け事から生まれた日本語は数多く存在します。今回は、前回紹介しきれなかった花札から生まれた言葉と、花札以外の賭け事から生まれた言葉について紹介していきたいと思います。

買って出る

花札は本来、3人で勝負するため、参加者が4人以上いる場合は、親から数えて4人目以降の下座の者は外されることになっています。どうしても下座の者が勝負に参加したい場合は、その代償として、上座の者から役札を買い上げて参加することから、自ら進んで引き受けることを「買って出る」というようになりました。

一点張り

サイコロ博打や花札などで、同じところばかり賭け続けることを「一点張り」といいます。当たろうが外れようがそこだけに賭けるという様子を表す言葉が、熱くなって他のことが見えなくなっている、という意味も含まれているため、「他の事を顧みず、一つのことだけを押し通すこと」をいうようになりました。ネガティブなイメージの強い言葉です。

裏目に出る

「裏目」とは、サイコロを振って出た目の裏側の目のことをいいます。サイコロの面は表裏が奇数と偶数になるようにできています。ですので、サイコロ博打で「丁(偶数)」に賭けて裏面の「半(奇数)」が出ると、「裏目が出る」ことになります。このことから、「期待して行ったことが反対の結果になる」ことを指すようになりました。

ため口

「ため」とは、もともと博打用語で「ぞろ目(同目)」を意味する言葉です。

「五分五分」の表す隠語として使われるていたのが次第に「対等」や「同じ」という意味も表すようになりました。そこから転じて「同い年の相手に話すような口のきき方」を「ため口」というようになりました。

一か八か

この言葉の由来はわりと知られているかもしれません。丁半博打に由来する言葉です。「一」と「八」はそれぞれ「丁」と「半」という漢字の上部分をとったもので、丁半博打は、サイコロの目の出方によって「勝ち/負け」が大きくことなることから、「結果がわからぬまま運を天に任せて勝負を試みること」という意味の慣用句としてつかわれるようになりました。

私たちの言葉の中に博打由来の言葉が多く含まれていることを知ってビックリしますよね。

そういえば、以前紹介させていただいた「ピンキリ」という言葉の由来も、賭け事に関係していました。

もちろん、これらの言葉たちは博徒たちの手を離れて、すっかりその由来すら忘れられて使われていたわけです。

ちょっとした業界用語が一般的な日本語として広がりを見せるのも、日本語ならではのおもしろさかもしれません。

参考

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