なぜ仏教にはこんなに種類があるの?

日本人の宗教は、全体的には無宗教寄りの仏教」といった印象です。大晦日風物詩といえば除夜の鐘ですし、葬儀は仏教式で行うというご家庭が多いのではないでしょうか。

また国内のどんな小さな村にも、お寺は必ずあります。

そんな私たちにとって馴染みのある仏教ですが、ひとことで「仏教」といっても天台宗」「浄土真宗」「日蓮宗など、色々な宗派があります。さらに日本から世界的に視界を広げると、それらとはまた違った仏教があることにも気付きます。

なぜ仏教にはこれほど色々な種類(宗派)があるのでしょう?そしてそれらはどこがどう違うのか、どうしてそんなふうに分かれていったのか、ちょっと気になりませんか?

仏教は大きく分けて2つある

そもそも仏教は、大きく2つに分けられます。それが「大乗仏教」「上座部仏教」。皆さんもどこかで耳にしたことがある言葉なのではないでしょうか。

仏教の開祖であるお釈迦様が亡くなられてから200年くらい経った頃、仏教の解釈を巡って弟子たちが分裂し、1つだった教団が2つに分かれてしまいました。

2つに分かれたうち、お釈迦様の教えを「学問・哲学」として極めていこうと考えた人たちは、現在のタイやミャンマーを中心とする東南アジアへ広がっていき、「上座部仏教」と呼ばれるようになりました。

上座部仏教の特徴は、「悟りを開けるのは出家信者だけで、一般の仏教徒は悟りを開くことができない」と考えられている点です。

そのため、ミャンマーやタイなどの上座部仏教の信じられている国や地域では僧侶は大変尊敬される存在となっていますし、男性は一生に最低1度は出家して修行することになっています。

中には3回も出家する人もいるというから驚きですね。

日本で信仰されているのは「大乗仏教」

さて一方、日本で主に信仰されている仏教は「大乗仏教」と呼ばれているものです。こちらは「一切衆生」という仏教用語にも現れているように「誰でも悟りが開ける」と教えていることが特徴です。

「悟りを開けるのは出家した僧侶だけ」と考える上座部仏教に対し「もっと多くの人々に広くお釈迦様の教えを広め、人々の苦しみを直接救っていくべき」と考えた人たちが始めたのが、大乗仏教なのです。

大乗仏教に対して上座部仏教を「小乗仏教」と呼ぶこともあります。「乗」とは「乗り物」のことですが、その乗り物は「悟り」のことと考えることができますね。

大乗仏教は飛鳥時代に、中国・朝鮮半島を経て日本へ伝わりました。中国では社会主義体制の影響で、また韓国では14世紀以降に儒教が国教となったことがあり、仏教はそれぞれ衰退してしまいました。

しかし日本ではそういった深刻な事情がなかったため、現在では世界一の「大乗仏教国」となっています。

そんな日本の大乗仏教は、その後さらに様々な宗派に分かれていきます。その辺りの事情については、改めてお伝えする機会があればと思います。

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