理化学研究所は2月7日、切ってもまたくっつく新機能ポリマーの開発に成功したと発表した。

簡単に合成でき、置換基を適切に選択すれば熱物性および機械物性を制御できるので、様々な環境で自己修復可能かつ実用性の高い新たな機能性材料の開発への大きな貢献が期待できるとしている。

優れた自己修復性能を持つ新ポリマー

これまでも自己修復できる材料はあったが、水素結合やイオン相互作用などを活用していたため水や酸などで壊れやすく、変化に富む実際の自然環境ではほとんど機能しないことが課題となっていた。また、合成に多くの段階を必要とするので、実用化に向けた大量合成が困難とされていた。

理研の共同研究チームは、独自に開発した希土類触媒を用いることで、極性オレフィンとエチレンの精密共重合を達成。

得られた新ポリマーは、外部から一切の刺激やエネルギーを加えなくても、極めて優れた自己修復性能を持つことを明らかにしたという。

理研が公開した動画には、ハサミで切った新ポリマーがくっつき、ひっぱってもちぎれず伸びる様子が紹介されている。

水中でも優れた自己修復性能

大気中だけでなく、水、酸やアルカリ性水溶液中でも自己修復性能を示したという。

水中に浸した薄膜をナイフで切った後にくっつけたところ、5分後には傷がほぼ消えたとしている。

 

出典元:理化学研究所プレスリリース

出典元:理化学研究所プレスリリース

上)大気下での自己修復の様子

下)水中での自己修復の様子(左:切った直後、右:切断5分後)

形状記憶材料にもなる

このポリマーは温度を制御することで、形状記憶材料としても機能するという。

50度のお湯の中で変形させて、そのまま室温まで冷やすと変形した状態を保持。これを再び50度のお湯の中に入れると、速やかに元の形状に戻ったという。

形状固定率・形状回復率は99%。優れた形状記憶特性を示し、さらに、繰り返し変形させても機能低下は見られなかったそうだ。

出典元:理化学研究所プレスリリース

出典元:理化学研究所プレスリリース

理研の発表を受けて、ネット上には「なにこれ、すごい」「未来だ!!」「これは大変な発明ではないか?」「現実がマジックを飛び越えてしまった!」「覆水盆に返ってしまいますね」「タイヤに使えばパンクしないのか?」「どういう使い方ができるのか、これが肝ですね!」など多くのコメントが寄せられている。

現実がマジックを超えた…理研が発明した「切っても自己修復する新ポリマー」に驚きの声