本日8日からアメリカで開幕したフィギュアスケートの四大陸選手権。

日本からも出場選手は多く、男子シングルの宇野昌磨や女子シングルの紀平梨花などに期待が寄せられている。

韓国でも、宇野や紀平は注目の的だ。

宇野は平昌五輪銀メダルを獲得し、羽生結弦と並んで当時から注目度が高かった。写真特集を組むメディアなどもあったほどだ。

グランプリ(GP)ファイナルなど国際大会で4連勝中の紀平も、日本の新星として韓国フィギュアファンの間で関心を集めている。

ただ、そんな日本勢に挑む韓国選手への期待も大きい。“ヨナ・キッズ”と呼ばれる新星たちだ。

引退後も引っ張りだこのキム・ヨナ

というのも、韓国フィギュアでは現在、キム・ヨナに憧れてスケートを始めた若手選手たちが台頭し始めている。

言うまでもなく、キム・ヨナは2010年バンクーバー五輪金メダリストであり、現役時代には韓国で絶大な人気を誇った。

引退後も人気は衰えず、平昌五輪開会式で最終点火者を務めたことも記憶に新しいだろう。最近も広告モデルやCM出演など引っ張りだこになっている。

(参考記事:【画像】本当にキム・ヨナ!? “フィギュア女王”が透けドレスで色気たっぷりグラビアを披露)

そんな国民的人気を誇る“フィギュア女王”の道を辿ると期待をかけられる選手が登場しているのだ。

ひとりは、男子シングルのチャ・ジュンファンだ。


(写真提供=SPORTS KOREA)チャ・ジュンファン



現在17歳のチャ・ジュンファンは、ジュニア時代から才能を発揮し、韓国男子史上初めてジュニアGPで銅メダルを獲得。昨季はシニア1年目にして、平昌五輪の代表枠1枠を勝ち取り、五輪では韓国男子歴代最高成績となる15位に入った。

今季はGPシリーズのカナダ大会とアメリカ大会で銅メダルを獲得。GPファイナルでも銅メダルを獲得し、韓国男子史上初めて同大会の表彰台に立った。

先月に代表選抜を兼ねて行われた国内の選手権大会でも優勝し、3月の世界選手権への出場権も獲得している。

そんな実績に加え、子役出身の甘いマスクも相まって韓国にはファンも多い。かつてキム・ヨナを指導し、羽生結弦らを教えるブライアン・オーサー氏にコーチを受けていることも注目度を高めており、オーサーコーチの「チャ・ジュンファンは羽生に似ている」発言なども話題になった。

韓国メディアも“メダル王子”と呼んで、四大陸選手権の成績にも期待を寄せている。

キム・ヨナを意識?

女子シングルにも“ヨナ・キッズ”はいる。四大陸選手権で注目されるのは、イム・ウンスとキム・イェリムのふたりだろう。


(写真提供=SPORTS KOREA)キム・イェリム



ジュニアで活躍するユ・ヨンとともに、“ヨナ・キッズ三銃士”と呼ばれ早くから注目を集めてきた逸材だ。

キム・イェリムは昨年、ジュニアGPで2大会連続銀メダルを獲得。キム・ヨナ以来13年ぶりにジュニアGPファイナルの舞台に立った。

シニアデビュー戦となった昨年9月の「USインターナショナルクラシック」では銅メダルを獲得している。

ただ、今季の実績で上回るイム・ウンスの方が期待は大きいかもしれない。

キム・イェリムと同じく今季シニアデビューしたイム・ウンスは、「アジアンオープントロフィー」で金メダル、「USインターナショナルクラッシック」で宮原知子に次いで銀メダルを獲得。GPシリーズのロシア大会では銅メダルを獲得した。


(写真提供=SPORTS KOREA)イム・ウンス



かつて浅田真央を指導し、男子世界王者のネイサン・チェンや女子の本田真凜を教えるラファエルアルトゥニアン氏に師事していることも期待感を高めている。

手足の長いスタイルがキム・ヨナと似ていると言われており、本人も『スポーツソウル』とのインタビューでキム・ヨナと同じ言葉を口にするなど意識している様子だ。

男子・女子ともに若手選手が台頭している韓国フィギュア。

「男子シングルは宇野昌磨、女子は紀平梨花を筆頭にした日本選手とメダルを争うことになる」(『オーマイニュース』)と、韓国メディアは日本勢を意識しライバル視しているが、若き“ヨナ・キッズ”たちは、いずれも初出場の四大陸選手権でどんな成績を残すか。

チャ・ジュンファンは男子ショートプログラム(SP)で2位。イム・ウンスは4位、キム・イェリムは9位に入った。

チャ・ジュンファンがメダルを獲得すれば韓国男子史上初、イム・ウンスやキム・イェリムが表彰台に立てば、2009年に優勝したキム・ヨナ以来10年ぶりとなるが、最終結果はいかに。

(文=慎 武宏)