
太陽の爆発が迫り、地球の終わりが近づいている。滅亡の危機に瀕した人類は、地球からの脱出――ではなく、「地球ごと」太陽系の外に脱出することを決意した。そんな画期的な設定のSF大作映画『流浪地球(さまよえる地球の意、英題:The Wandering Earth)』について、中国メディアの環球網は7日、「国外メディアからの意外な反応」に関する記事を発表した。
記事によると、5日に公開された中国初のSF大作映画『流浪地球』が大評判となり、国内外から多大な注目を集めている。この映画は、SF作家である劉慈欣(りゅう・じきん)氏の同名小説を原作とし、4年の歳月をかけて公開に至ったもので、人類と地球が宇宙で新天地を求めてさまよう旅を描いた作品である。ネット上で公開されている予告編を見るだけでも、SF映画としてのクオリティの高さがうかがえる。
記事は『流浪地球』について、ニューヨーク・タイムズの「中国映画産業、ついに宇宙競争に参入」と題する好意的な報道などを紹介。「人類を救うというテーマはすでにハリウッドで扱われ尽くしてきたが、この映画にみられる思考の道筋は欧米人のそれとは大きく異なる。そのために広く評判を勝ち得ているのではないか」と分析している。
5日の公開以降、7日までのわずか3日間で、同作の興行収入は5億人民元(約81億円)に達した。現在、中国は春節(旧正月)休暇のさなかであり、10日まで続く連休期間中に興行収入はさらに伸びると予想される。2019年は、中国SF映画史の元年として人々に記憶されるかもしれない。
『流浪地球』は8日以降、アメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドでも公開予定となっている。残念ながら現在のところ、日本での公開予定は未定であるが、いずれ劇場のスクリーンでこの大作を楽しめることを期待したい。(イメージ写真提供:123RF)

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