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 この度最新の世界磁気モデルが公開されたが、実はこのモデルは予定よりも早い公開であった。

 前回、世界磁気モデルWMM)が更新されたのは2015年のこと。本来なら5年後の2020年までは使われるはずだったのだが、どういうわけか、北極の磁場が、カナダ北極圏からシベリアに向けて予想外の速さで動いている為、早急に公開する必要性があったのだ。

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北極の磁場が急激に移動し、モデルの修正を迫られる

 アメリカ・コロラド大学ボルダー校と海洋大気庁(NOAA)国立環境情報センターに所属する地球物理学者Arnaud Chulliat氏は、「最新データと比較して、定期的にモデルの質と精度を評価します」と話す。 

 「ところが、特に北極圏では誤差が比較的早く大きくなっており、5年の期間が過ぎる前に、基準を超えてしまう状況にありました。」

 そこで急遽、英国地質調査所と協力して、過去数年分の新しいデータを集め、予定を前倒しして磁気モデルの修正が行われることになったのだ。

飛行機や船のナビゲーションにとっては致命的問題

 更新されたモデルは本来1月15日に発表されるはずだったのだが、アメリカの政府機関が35日間にわたり閉鎖されてしまった影響で、2月4日になってようやく公開された。

 ただし、この修正バージョンはあくまで今年用で、2020年には2025年まで利用される(だろう)最新の世界磁気モデルが発表される予定だ。

 今年限りしか使われないとはいえ、世界磁気モデルの修正は、民間や軍の別を問わず、北極付近の移動する船や飛行機にとってはとても重要なことだ。

 世界磁気モデルにが指す磁北は地球の磁場に大きく左右される為、磁場の変化によって変動するからだ。

 ほかにもNASAなどが、調査やマッピング人工衛星や追尾アンテナ、航空管制といった用途で、世界磁気モデルに頼っているし、それどころかお馴染みのスマホの地図アプリGPSアプリだってこれなしではまともに機能してくれない。

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地球のコア内部の不規則流れが原因か?

 磁北がじっとしていないことは19世紀から知られていた。しかし1990年代になって、その動きは加速し始め、年に15~34キロも移動するようになった、とChulliat氏は説明する。

 そして2018年には、日付変更線を飛び越えて東半球にまで引っ越ししている。

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 面白いことに、磁北はここ数年、本当の北へ向かって近づいてきた。だが、もちろん、この動きがそのまま続けば、磁北は北を通り越して、今度はロシア側へ向けて遠ざかることだろう。

 NOAA国立環境情報センターによれば、この磁北の不可思議なふるまいは、地球のコアの内部にある不規則な流れが原因であるという。

 まだ完全に明らかにはなっていないが、カナダの下に液体のまま残っている鉄のジェットが濁って、次第に弱まっていることと関係がありそうなのである。

 磁北極の位置は、どうもカナダシベリアの地下にある巨大な磁場区画によって左右されているらしく、今はシベリア側がその綱引きに勝利しているという状況だ。

References:Check your compass: The magnetic north pole is on the move (Update)/ written by hiroching / edited by parumo
追記:(2019/2/10)タイトルを一部訂正して再送します。

全文をカラパイアで読む:
http://karapaia.com/archives/52270845.html
 

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