日本有数の豪雪地帯
新潟県十日町まつだい車中泊

わざわざ極寒の地、それも豪雪地帯で車中泊をやるなんて相当アタマのおかしいテーマだ。でもだからこそ、リアルなオモシロさが見出せるのでは?と言いワケしながらいざ雪国に。なのに……ドカ雪よ、いったいいずこへ?

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カラダを芯から温めるお酒のススメ
居住空間と寝床が完成し、あとは眠るだけ。でも本体(自分自身)も温めたいよねぇ。カラダを温めるには温泉に浸かるか飲酒するかのどちらかだ。この時間(すでに2時半)に温泉は無理。

ということは酒だ! 車内でバーナーを使うなんてもってのほか(それこそ事故の元です)。雪をカタめて作業台にし、シングルバーナーカップ酒をお燗にしてみた。

◎材料
カップ酒……人数分(この日は「ふなぐち菊水」と「苗場山」)
鍋……1つ
水……カップ酒の高さ2/3程度の量
バーナー……1つ
ガス……1つ
スコップ……1つ

つくり方
1. スコップで作業台(バーナーが余裕で収まるスペースで)をつくる。

2. 作業台にバーナー&ガスを置く。

3. 鍋に水を注ぎ、フタを外したカップ酒を入れる。

4. 強火にかけ、ぷくぷくと沸騰してきたら火を止める。

ガスながらも、炎が見えると視覚的に温まるなぁ。ぷくぷくと音を立て、ふわぁ~んと酒の香りが立ち昇ってきた。もうちょい熱くするつもりだったが、もうたまらん。口をつけチビり、もうひと口ゴクリ。寒いゆえ、スルスル酒が入り、あっという間に半分消費。顔~喉、お腹までポウ~ッと温まった。

ウエアのレイヤードも重要ポイント

もちろんウエアも万全に。暖かい空気の層をつくることがウエア・レイヤードのコツ。

上半身は吸湿速乾性を備えた厚手のインナー天然素材のセーター、そこにフリース、ダウンジャケットを。下半身は110デニールのタイツにスウェットパンツ、そこにダウンパンツ、ブーツはUGGのムートンブーツを(どっさり雪が降ればUGGをソレルに履き替えるつもりでした)。

頭と耳、首、手も防寒すれば、外にいても(お燗つけていたとき)、寒さに震えずにすみました。

1. ペツルのヘッドランプ。ベルト部分をこんなふうに引っ掛けて“常備灯”にしても。

2. モンベルのシュラフ(ダウンハガー800 Women’s #1)もリース。女性用のため、長さが短く、フィット感よし。モンベルならではの「スーパースパイラルストレッチシステム」で、カラダの動きを妨げず快適だった♡800フィルパワー・EXダウンという安心感。

3. スリーピングマットはイワタニ・プリムスからお借りしました!登山者からの支持が高いニーモ・イクイップメントのスイッチバックレギュラーを。安定感よく、寝心地よし!畳んだ状態を腿の上に置くと、PC作業もスムーズでした!

4. 窓には銀マット!

さて、ここで車中泊に利用した「道の駅 まつだいふるさと会館」について説明を。国道253号沿いにあり、北越急行ほくほく線の「まつだい駅」を併設。道の駅はたいてい24時間駐車でき、お手洗いも利用できるので、車中泊スペースとして定番だ。当日はキャンピングカー1台、レジャーと思しきミニバン2台、長距離トラック1台が車中泊のお仲間だった。

雪国らしく、トイレの出入口には扉があり、ほんのり暖房が効いていたような。道の駅施設の営業時間中(冬季8:30〜17:00)ならば、施設内のトイレを利用できることも追記しておく。なによりありがたかったのがコンビニエンスストアの存在だ。結局、雪が降らず快適に過ごせたが、いざという場合には24時間オープンしているコンビニは心強い。朝には野菜や肉、加工品など地元の食材が並んでいたので、それらを調理しての朝ごはん、ってのも悪くないね。

車中泊の必携アイテム
極寒車中泊の命綱=銀マットとスタイロフォーム!
常備したいのが、氷(雪)を瞬時に解かすスプレー
USBで使える電気毛布と貼るカイロ。結局使用せず。
スコップも必携。折り畳み式なら邪魔にならない。
水場が近いとは限らないから、アルコールスプレーも。
折り畳み式のスリーピングパッドは簡易デスクとしてもイケる。
枕代わりとして、小さめのクッションも持ってきた。祖母謹製。

寒さで目が覚めるなんてことはまったくなく、ぐっすり睡眠。ほかの車中泊組はさっさと出発したようで、駐車場には出勤(駅ですからね)のクルマでそこそこ混雑してました。

洗顔、歯磨き道の駅で済ませ、コンビニのスープ朝ごはんに。で、こちらも本来の目的(笑)であるロコスキー場に向けて出発の準備を。銀マットを剥がすとうっすらと結露しており、かなりの気温差があったことを実感。

のんびり準備できたのは、ひとえに“雪が降らなかった”から。本当に埋もれてしまっていたら、その処理だけで軽く1時間はかかってしまったでしょう。氷(雪)を解かすスプレーの出番どころか、スコップで掘り起こす作業もなく、じつにスムースでした。

もうひとつ特筆すべきことを。携帯電話やPC、Wi-Fiルータ、カメラのバッテリーを充電し、暖房器具を使うために大容量のポータブル電源を用意したことも安心材料のひとつ。運転中はシガーソケットから電源が取れるけれども、エンジンを切ればそれは叶わぬこと

この時代、モバイルツールバッテリー切れは死活問題だからこそ、充分過ぎるパワーを誇るポータブル電源は必須。今回はエクステリア&寝具&ウエアの工夫で、適温をキープできたので暖房器具(温風ヒーター、電気毛布)の出番はなし。でも災害時に備えて、自宅にポータブル電源を用意しておきたいな。

充電も万全に!

加島商事
スマートタップ・パワーアーク
実勢価格:6万4800円

現在リリースされているポータブル電源の中で最大容量(600Wh)を誇り、まさに“持ち運べるコンセント”。約8時間で充電完了。オプションも充実。

アンカー
パワーハウス
実勢価格:4万9800円

容量は434Whで、ノートPCなら約15回充電できる。リチオムイオンバッテリーで従来品よりも小型に。充電容量の残量が見やすいのもいい。


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極寒車中泊に適した場所は?
☆24時間駐車可能な「道の駅」などがベスト。
☆これまた24時間利用可能なトイレ併設。
☆欲張ると……24時間営業のコンビニ至近。

そこで白羽の矢が立ったのが…
道の駅 まつだいふるさと会館

十日町市の“西の玄関”として知られる道の駅。駐車場は91台(大型車5台、普通車86台)。EV(電気自動車)用急速充電器も備えている。 

住所新潟県十日町市松代3816 
電話:052-597-3442(松代・松之山温泉観光案内所)

【新定番!!!!!!真冬の車中泊

実は真冬こそキャンプがおもしろい!というのは、通なキャンパーたちには割と有名な話。空気が澄んでいて、景色や夜空もキレイ、人も少ないため自然を大いに満喫でき、何より焚き火だったり食べ物の温かみを体の底から体感できるから。自慢のキャンプギアたちの性能もよりシビアに堪能できるというもの。だったら車中泊今でしょ! というわけで、元気な大人たちが真冬だからこその、エクストリーム車中泊遊びを提案します

※『デジモノステーション』2019年3月号より抜粋。

text山﨑真由子

photo山﨑真由子
(d.365
掲載:M-ON! Press