フランス男は“小物”にこだわる一点豪華主義!
フランスといえば、やはり“ファッション”も見逃せない。というわけで、仏流ファッションの極意を3人のフランス通(?)に取材。着こなしのコツを聞きに行ったら、意外な事実が判明した!?

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Profile

王子 蘭さん:ピュアリーニュ代表
日本フランスの架け橋として、「Louis FAGLIN(ルイ ファグラン)」などブランド製品の輸入・販売を手がける「ピュアリーニュ」代表。

Louis FAGLINとは?
1899年の設立以来、数々の著名ブランドのカフスを作り続けるフランスメンズアクセサリーファクトリーブランド。同社コレクションをもとに現在も多くのカフスが誕生。

ブルネ夫妻 ジョゼさん(左)紫紀さん(右)
フランス人のジョゼさんと、日本人の紫紀さん。ジョゼさんはファッションにあまり興味がないそうだが、美的感覚は繊細で色にこだわり、また一点モノが好きだとか。紫紀さんはPR会社「バンビーノ」の代表を務める。

フランス人は服にお金をかけない!?
今回話を聞いたのは、フランスの老舗メンズアクセサリーブランド「Louis FAGLIN(ルイ ファグラン)」を展開するピュアリーニュの王子 蘭さん、数多くのフレンブランドのPRを手がけるバンビーノのブルネ紫紀さんと、夫のジョゼさんの3人だ。

ジョゼさんはフランスの方で、日本とフランスを行ったり来たり。そして王子さんの旦那さんは、何を隠そうルイ ファグランの6代目オーナーという、仏流ファッションに精通した面々なのだ。

話を戻すが、フランスファッションといえば“全身ブランドもの”というイメージがある。しかし、それは大きな間違いだと3人は指摘する。

「実はフランス人の多くは、服にあまりお金をかけません。そもそもフランス人は“古いモノは価値がある”という価値観を持っています。だからモノを大事に長く使うので、祖父や父からもらった小物を身に着けたりしているんです」(王子さん)

「また他人からの評価ではなく、自分が“どうしたいか”がフランス人の一番の基準なので、お洒落というかコダワリがある人が多く、それが個性的なファッションに繋がっているのだと思います」(紫紀さん)

もちろん年代によっても違うそうだが、小物や見えない部分にこだわるのがフランス流のお洒落なんだとか。和装で足袋のコハゼにこだわることが“粋”とされる、そんな日本人の感覚に近いようだ。

さらに「自分に似合えばノーブランドでいい。それよりも色にこだわります」とジョゼさん。フランスでは建築物の色にも規制があり、そんな街並みや風景を見て育った人々は洗練された色彩感覚を持っている。加えてフランス人は“自分のカラー”というものを決めているなど、色へのこだわりが非常に強いと話してくれた。

さて、小物にこだわるのがフランス男のたしなみ。では男がこだわるべき小物とは?

「男性のファッションエレガントでシックが大前提。だから基本的にはシャツスタイルで、そこにカフスで個性を演出するのがフランス流」と王子さん。しかし、そう言われたところでピンとこなかったが、彼女の次の言葉にハッとした。

「男性のために生まれたアクセサリーで、今日まで残っているのはカフスとタイバーだけ。そこにこだわるって素敵じゃないですか?」

指輪ネックレスは女性的なイメージが強いけど、確かにカフスとタイバーは男性ならではの小物。アクセサリーといえども、男がこだわってもイヤミっぽさがないのだ。でもカフスは正装で使うもの。あまり出番がない?

「普段着ているシャツにつけても全然OK。シングルカフス(袖にボタンが付いた一般的なシャツ)だって、穴を空けてつけちゃえばいいんです!」

これにはちょっと目からウロコ。服は均一化していくなか、同じような服装でもカフスをつけるだけでオリジナリティが出せるというわけ。

「難しく考えなくていいんです。いつも着ているシャツにカフスをするだけでグッとお洒落になりますよ」

カフスは若者には似合わない、大人のための小物。なんだか大人のファッション道が開けたような気がする。“シャツや気分にあわせてカフスを選ぶ”なんて、ちょっと格好良すぎません? 気軽にカフスを楽しむフランス流のお洒落テク、取り入れない手はありません!

「カフス」と「タイバー」は男のためのアクセサリー
ルイ ファグランのタイバー。裏面にルビーが入ったものなど、“粋”なデザインも見られる。

ルイ ファグランのカフス。正装だけでなく普段着のシャツに用いるなど、気軽に楽しむものだという。

様々なデザインのあるカフスは、選ぶ楽しさも◎。アクセサリーに目を輝かせる女性の気持ちがわかる

左右で揃えなくても、それはそれで個性となる。自分の感性で自由にカフスを楽しむのがフランス流だ。

100年以上の歴史を持つルイ ファグランアーカイブ。これらを原型にカフスが作られる。

今では生産されていないスワロフスキーなど希少な石もストック。色彩に魅了される。

DATA
Pure Ligne Co.,Ltd.
TEL 045-224-6565 「Louis FAGLIN」

2019年は間違いなくフランスが来る!】

フランスには、誰もが憧れを抱くオンリーワンの魅力がある。
その証として、観光地としてはもちろんのこと、クルマ、時計、インテリアファッションはたまたテクノロジー界隈などどの角度から眺めても、他の国とは違うイケている要素が必ず見つかるのだ。今はたまたまデモなどの影響で、パリの街を中心に荒れた映像が流れている。だが、フランスに対する多くの人々が持つ、秘めたる想いは変わらないだろう。2019年は間違いなくフランスが来る!

※『デジモノステーション2019年2月号より抜粋。

text津田昌宏

photo湯浅立志
(d.365)
掲載:M-ON! Press