北条司原作のアニメ シティーハンターの20年ぶりの新作となる「劇場版シティーハンター 新宿プライベート・アイズ」が2月8日より公開。2月10日に大阪のTOHOシネマズ梅田にて舞台挨拶が行われ、原作者の北条司をはじめ、冴羽リョウ(※)役の神谷明槇村香役の伊倉一恵こだま兼嗣総監督らが登壇した。

【画像】10歳と8歳の孫が「また行きたい!」とシティハンター信者になったと語る漫画家・北条司

■ うれしいサプライズ

映画上映後に行われた舞台挨拶では「Get Wild」のイントロとともにキャストが登場。さらにサプライズで原作者の北条司が登場すると、客席から大きな歓声が上がった。

こだま兼嗣総監督が「大阪に来たくて自ら志願してきた。」と話し客席から笑いが起きると、神谷が「待たせたな。俺を呼んだのは君たちか?」と主人公・冴羽リョウのセリフでさらに会場を沸かせた。香役の伊倉は「今回は思いっきり100トンハンマー振り回しました。」と笑顔で語り、北条は「大阪に友達に会いに来たが、新大阪で拉致られて参りました。」と冗談交じりに話した。北条は「大阪は90年の劇場版の舞台挨拶以来30年ぶり、その時もこのメンバーで立ってました。」と語り「その時居た方、今日はいらっしゃいませんよね?」と問いかけると、客席から手が挙がりキャストから驚きの声が上がった。

「リアクションがすごい。」と大阪の観客に満足げな神谷。初日に一観客として本作を見たという伊倉が「音楽がすごい。懐かしい音楽もふんだんに使われているが、新作の音楽は色々な場面にぴったりはまっている。今度見るときは新作の音楽にも注目して欲しい。」と話すと、すかさず北条が「自然に何回も見てって言ってる。」とツッコミを入れ、客席から拍手が起こった。

今回の作品への思い入れを聞かれた北条は「僕作ってないので、単純に楽しんだだけです。」とし、20年ぶりのシティーハンターについて聞かれたこだま総監督は「頭の中は20年前で止まっているので、すんなり入ることが出来た。」と話し「今回はスタッフのほとんどが40歳前後でシティハンターを見ていた世代なので、説明がいらない。ファンと一緒に作っていくような感覚で楽しかった。」と今回の現場の様子を語った。

■ 20年ぶりのコンビは?

20年ぶりのリョウと香のコンビについて神谷は「冒頭でかっこよく出てきたと思ったら、相変わらず思いっきハンマーで叩かれる。あのあたりでキター!と思った。いっぺんに20年の月日が吹っ飛びました。」と話し、客席から大きな拍手が起こった。伊倉は「不安でしたね。絵は変わらず若いのにこちらは順調に老けてますから。」と話し、客席の笑いを誘った。劇場版を見たファンのツイートを、全て読んでいるという神谷は「ありがたい、うれしい、これからがんばろう!」と笑顔を見せた。

アフレコ現場ついて伊倉が「若手の声優が皆、本当は神谷さんのサインが欲しいけど我慢してるのに、神谷さんが自分の台本持って全員に『サインくれる?』って。」と神谷が他の声優陣にサインをねだっていたことを明かし、神谷が「国がアニメの博物館みたいなものを作ったら絶対に寄付しようと。」と話すと伊倉が「本当に?」とすかさずツッコミを入れ、なごやかなアテレコ現場の雰囲気を語った。

こだま総監督が「シティハンターのアフレコではいつも美女と会える。今回も美女に会えて楽しかったです。」と本作でヒロインの進藤亜衣を演じた飯豊まりえについて触れると、神谷が「飯豊まりえさんは、21歳の感性でリアリティのある演技をしてくれた。端々に彼女の可愛さも出ている素晴らしいキャスティングだった。」と褒め、伊倉も「マイクの前では思い切った芝居というのは中々できない。まりえちゃんは御国を怒るシーンとかよかった。」と話し、神谷が「御国役の山寺君(山寺宏一)もよかったね、感動した!」と言うと伊倉が「今回粘りましたね、昔はあっと言う間にやられてましたけど。」と笑いを誘った。前日まで山寺のキャスティングを知らなかったという神谷は「リハーサルをやっていて、どう考えても御国は山ちゃん以外考えられなかった。御国はむつかしい役、当日山ちゃんが居てうれしかった。」と話した。

20年ぶりのリョウはどうだったか聞かれた神谷は「リョウは香に対して直接的な事は言わない。他の女性にちょっかいを出してもどこかで香の事を考えて居るんじゃないかと思っていたが、今回ちょっと冷たくないかな?と演じてる僕も抵抗を感じていたんですけど。」とし「最後のセリフに集約されているとは!あれはこだまさんの思いじゃない?」と監督に話を振り、こだま総監督が「リョウに喋らせてるかっこいいセリフは自分が言いたくても言えないセリフ。ラストカットに全部吐き出した。」とセリフに込めた思いを話し、伊倉が「普段はねちょっと。あの音楽も鳴っていないところではね。」と会場の笑いを誘った。

舞台となる2019年の新宿とリョウのキャラクターの融合で苦労したところを聞かれたこだま総監督は「リョウ自身は変わりようがないので、今の新宿を描くことでリョウが今存在しているように映像で見せたかった。」と苦労して各所に許可取りをし、作品の舞台となる新宿を細かく描いたことを明かした。

■ 美女の依頼は断らない!

本作の思わせぶりなエンディングについて触れられると北条は「これが大ヒットすればいいことが起こるかもしれない。」と笑みを浮かべ、それを受けて神谷が「美女の依頼は断りませんから。」と話すと会場から拍手が沸き起こった。SNSの話題が出ると神谷が「シティハンターも『カメトメ』や『この世界の片隅に』のようなムーブメントを起こせたら最高!シティハンター教の信者を増やす布教活動をお願いします。」と観客に頭を下げ、北条が「2人の孫が完全にシティーハンター信者になった。」と話し、神谷が「若い者は大事にしなくちゃ!(名探偵コナンの)毛利小五郎をやっているときに思いました。リョウちゃんでもやります。若い人にたくさん来て欲しい。」と笑顔で語った。

最後に神谷が「20年ぶりに変わらぬ姿で戻って来ました。この後も変わらぬ姿でいつまでもみんなの心に残れれば。」と話し「変わらないよ綺麗な物も、シティーハンターも。」と劇中のセリフを思わせる言葉で観客に語りかけた。「劇場版シティーハンター 新宿プライベート・アイズ」は、2月8日よりTOHOシネマズ梅田他で全国ロードショー。

リョウは、けものへんに「僚」のつくりが正式表記。

(c)北条司/NSP・「2019 劇場版シティーハンター」製作委員会(関西ウォーカー・二木繁美)

左から、こだま兼嗣総監督、神谷明、伊倉一恵、北条司