日本には中国由来の文化や習慣が少なくないが、本家の中国ではすでになくなってしまったものも多い。中国メディアの今日頭条は6日、和装には欠かせない「下駄」について「中国では木の靴を履く習慣はもうないのに、日本では今でも愛されている」と紹介し、その理由を分析する記事を掲載した。

 日本における下駄の歴史は古く、弥生時代の遺跡からも田下駄が出土している。記事は、木の履物は2000年以上前に中国人が発明したもので、日本の下駄の由来だと主張しているが、その真偽は不明だ。とはいえ、日本では今でも残っているのに中国では見られなくなったというのは事実である。

 記事によると、中国では宋の時代には下駄のような木の履物は見られなくなったという。しかし、日本では、明治維新後も下駄を日常的に履く習慣が残り、戦後まで続いていた。この理由について記事は、「日本の気候に合っていた」ためだと分析。湿度が高くて雨の多い日本では下駄が重宝され、裏側に歯が2枚ついていることで山道も登れたと、その利便性を強調した。しかも農業や紡績が中国ほど発展していなかった日本では、コストの安さも魅力の1つだったと論じた。

 さらに、別の理由には「纏足(てんそく)の習慣が入らなかった」ことも考えられるという。中国ではほんの100年あまり前まで女性の足は縛られ変形していたために、下駄など痛くてとても履けなかったという。日本にこの習慣が入らなかったことに感謝したいものだ。

 この記事に対して、中国でも数十年前までは雨の日などに下駄が使われていたというコメントが散見された。地域によっては最近まで残っていたようだ。日本でも、今では普段使いではなくなったものの、下駄は和装には欠かせない「日本らしさ」の1つとなっている。下駄には健康面などでも多くの利点があり、これを機に見直してみたいものだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)

中国では木製の靴を履く習慣は廃れたのに、日本人はなぜ下駄を履くのか=中国メディア